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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
エレメンタルサマー……——真夏の火花
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「えっ暗っ!」


 高い空から広がる陽光を押し返すくらいにどんよりなアタシを見て、開口一番ショーコがそう言った。


 ショーコのむぎ茶のペットボトルが汗をいていて、電信柱の上のほうで、せみが鳴いている。


 三叉路さんさろのガードレールに座ったサマーワンピースの麦わら帽子のショーコは、久々に可愛かった。


、伸びたね、ショーコ」


 みんなアタシから離れていってしまう。


 アタシは変わらないままだ。中身も、身長も。


「伸びたけど……」


 ガードレールから降りて、ショーコはスカートのすそを払った。


 緑のガーベラのトングサンダルも、可愛い。


「まぁ、いこっか」


 会うのは、春休みぶりだ。


 会いたかったけど、誘えなかった。


 ショーコはいつも何かを頑張ってるし、ショーコもどこかで頑張ってる。


 どこかでそう思って、目の前のことを必死に頑張っていたけど、……ほんとは会いたかった。


 でもある日、勇気を出して誘ってみようとした時……ショーコからメッセージが届いた。


 ——ほっしぃ元気?


 モバイルを落としかけて……


「……元気じゃないよ……」


 そんな言葉がこぼれてしまう。口をつぐんで、文字を打ちこんでいく。


 ——どうだろ?笑 いつもの感じかなー ねー水族館いく!?


 Aquarea(アクエリア)の水槽通路。アタシはショーコの姿を鮮明に思い出していた。


 ——いいね!行こっか

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