302
「でもさー、水中操作って大変そうだよね……」
ビーチパラソルの下には、サブロー、宗ちゃん、シュウジ、アタシ、幸子、リディア、ジュン、リイヤがノートを広げていた。
「うーん、ニョロニョロした気持ちになれば、意外と動かしやすいよ」
「いや、難しいよ。俺が蛇嫌いだからかもしれないけどさ」
リディアもリイヤも、努力していたのが分かる。蛇のような気持ちか……アタシもそんなに好きではないけど、想像してみる。
綺麗な鱗で水の中を自由に泳ぐのは人魚姫のような気持ちだろうか。
「すまないね、リイヤ君。君のレイダーが初の水中形態だから、デザインがシンプルになってしまって」
「まぁ慣れて来たすけど」
「格好いいよ!ファントムレイダー!!」
「我も一票だ」
そうか……と言いながら、リイヤも満更では無さそうだ。
アタシも初めは怖いと思っていたけど、ハイドロレイダーに愛着が湧き始めている。
「ハイドロレイダーの変形はイルカのモチーフのデザインになると思う」
「えっ」
それだとどうなんだろう……二人とはやり方が違うのかもと不安になる。
「まぁ基本は同じだからね。皆んな、水中を飛ぶようなイメージで操作してもらいたいんだ。変形後の機体名、バージョン名かな?は、シュウジ君と純之助君で決めるといい」
「我は海蛇のほうが……」
「イルカもいいんじゃない?ジュン君!」




