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「どこに行くの！？」

　アタシは叫んだ。

　宗《そう》ちゃんは手首に緋色《ひいろ》のブレスレットを巻いていた。

　宗《そう》ちゃんの流れるような所作で、腕輪がA4のシートに変わる。

「ちょっと倒してくる。大丈夫」

「宗一郎《そういちろう》君！待ってくれ！説明がまだ……」

「ideal controller、 icon(アイコン)搭載機ですよね。危なかったら回線切りますので」

　宗《そう》ちゃんが消えて、テレビ画面に、炎みたいな赤……から金色に光り輝くハイドロレイダー……アタシはその光景に目を奪われた……。戦車みたいだと思っていた機械人形じゃない、ヒトのような、機械仕掛けの巨大猫のような、美しい金色の機体が、透けるような蒼い空の下で黄金に燃えている。

　その三角の瞳は、燃え始めた炎の緋色(スカーレット)。

　ハイドロレイダーに似ているのに……

　湧いて出る猿たちが、黄金《きん》色の水素針《すいそしん》から迸《ほとばし》る、緋色《ひいろ》の炎の中に消えていく。

「あ、あの金色のやつもさ、水素針《すいそしん》なんだけど、ディストレスの周りの水素の温度を急激に上げることによって、爆発を誘発してるんだ！」

　サブローの説明に、シュウジが目を輝かせいる。

「あっシュウジ君ほら！あの碧《あお》い球体が亜空間バリアだ！あ〜良かった。小さいディストレスには有効みたいだね！」

「っっかっ……こいいですね！！」

　おぃ！

　金色のレイダーは風のように跳躍し、指揮棒《タクト》を翳《かざ》すように敵を炎に包んでいく。

　それは、あっという間だった。

　彼は空を仰ぎ雨を降らす……。

「ブレイズレイダーは、鎮火機能が付いているんだ。終わったみたいだね」

　金の体が、白い霧雨に包まれている……。

「ただいま」

　玄関のドアが開いた。

　まだ、金色のレイダー……！？また赤い色に戻ってる……！それはまだ、テレビ画面の中にいるのに……。