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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
光のほうへ……——終わらない夏
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「やっぱや〜めた!……って言ったらめれんの?」


 今までの人生、気分で突き進んで来た。


められる」


 そんな自分が嫌いじゃなかった。


「ジョンも、メルトも、寿命だった」


 分かってる。でもさみしいだろ?


 雨沢あまさわの瞳もウツロな悲しみが赤い湖を映している。


「でも、IOP消失で失われた関係いのちも沢山ある。お前とメルトは……幸せだっただろう?」


 今も、俺をこの場に連れてきたのはメルトの思い出だ。


「お前なら出来る」


「出来なかったこともある……」


 それでも、メルトがいたから。


 楽しむことが出来た。人生を。


「俺が……誰かの幸せを守ることが出来るって言うのか?」


「さあな」


「ぅオイ!」


 けどきっと、こんな質問が浮かんでも、メルトもキョトンとした顔で俺を見るだけだろう。


 ——なんかわからないけど……リイヤ、楽しい?


 そして笑うだろう。


 ——リイヤが楽しいなら僕も楽しい!!


 HyLA(ハイラ)に入ろうとしたのは思いつきでしかない。


「やってみっかな……」


 やろうやろう!……楽しそうなメルトの顔が浮かぶ。


「失敗したって人生だよな」


「失敗の可能性は極めて低い。HyLA(ハイラ)のテクノロジーはホーリーチェリーを撃破したわけだからな」


 人類の災禍さいか、ホーリーチェリーは消失した。


 メルトは戻って来ない。


 それでも。


 俺は手を伸ばす。


 ワクワクする方へ——……

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