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「おー、ほっしー!」
「お疲れっ!!!」
「うぉい!」
ほっしーが俺の横を走り去り、リディアに駆け寄る。
なんかHyLA女子、男子に冷たくないか?ま、女子どーし仲良くていいっちゃいいけど。
俺の所属はランドオブサウスを管轄とするHyLA-fourthだけど、水中戦がメインのリディアと俺の機体の格納、メンテはHylab-Aquareaのトレーニングルームで行われる。
トレーニングルームと繋がってるブリーフィングルームには、スタッフさんの他に、ほっしー、純之助ナド、クラスの見知った顔がいた。
討伐ん時、焦ってて黙れとか言っちゃったし、気を悪くしてるかナーなんて思いつつ、純之助と目が合う。
「おう」
「お、お疲れ。純之助君」
「なんだ、純之助君て。疲れているのはリイヤだろう」
アクエリアドリンクのペットボトルがブリーフィングデスクを滑る。
「おわ、サンキュウ!」
「まぁ座れ」
お前の基地じゃないだろ……?
だけど友だちがいて、正直ほっとして座る。
「リイヤ君、リディア君、お疲れ様。気分は大丈夫そうかい?」
宗の上司の、いつもサングラスをかけてる三島さん。機関で有名な人らしい。
「俺は大丈夫です」
嘘、普通に怖かった。
「大丈夫です」
リディアはクールにそう言った。
……まァ、ここに来た以上、たぶんそう言うしかない。
ここがどういうところなのか、分かってて選んだのは俺だ。




