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「……昨日の自分が過去に変わる……」
フィンヨンの小さな腕が、白蛇を掴んだ。
「俺の憂いは光に変わるッ」
ファントムの瞳が青く燃える!
「逸らさない!!!」
弱い自分も、未来の自分も!!
「ディストレス!」
仲間の声も!!!
「シャイングローリィ!!!!!!」
「レイ!!!!!!!!!!!」
「——こういうことだろ!!リディア!!!」
「うん!!!」
まるでメデューサだ……俺たちのエネルギーを極限まで高めると、光の光線がディストレスの姿を焼き付ける。白い化石のように……けど!強すぎて力が保たないッ!!!
「ブレイキングローリィレイ!!!」
フィンヨンの白い瞳が真っ赤に染まり、朝日みたいな光線が白蛇を襲う!
白い化石が琥珀に変わっていく。頑なで美しい塊に……
「こうか!?」
ファントムの尻尾で、白蛇を掴む。
綺麗な円を描くその身体をリディアが引っ張る。
「……これで……」
もう動かなくなった白蛇の身体を、Hylab-Aquareaの入口にそっと置いた。
「キュロス君、こうすれば学校の守り神みたいじゃない?2組はここを通って登校するんだよ」
2組の施設は、水中の要塞みたいだった。
「……かっこいいな」
俺一人じゃ思いつかない。
こんな結末は。




