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「これが……Artificial Intelligence of distress……」
思ったより、機体を上手く動かせてる……
敵の動きは速い。
けど、白蛇の動きは私の水中神竜を捉えることは無かった。
まるで双子みたい……。
真っ白なその姿は、私を見ているようだった。
「綺麗……」
「何!?どうしたのリディア!?」
コバルトブルーの水の中で、何かを探すように哀しく畝る白い姿は悲しくて綺麗だった。
「……大丈夫」
でも貴方は間違えた。
瞳が熱くなって来る。
水素針……が瞳に埋め込まれた、白き竜神は、悲しき白蛇から瞳を逸らさない。
「貴方は、追うべきじゃなかった」
不安は思考を澱ませてしまう。
「リディア……」
私が傷つくこと、それが解と思ってしまった自分が悔しい。
「貴方がすべきだったのは、姫の後を追うことじゃない!」
誰が、貴方が傷つくことを望むというの?
「止まって!」
それは久遠の想い。けれど……
「あなたの想い人は今ここにはいないの!」
光の渦が、碧を巻き込み恋の残火を消し去る。
「こんな結末をあの人が望むと思ってるの!?」
白蛇の畝りが……止まらない!!!
「ぐっ……しつこ……!!」
「リディア!!!」
灰銀の幻獣が、白い二人を照らす。
「キュロス君!?」
私だけの光では遠い想いの力に負ける……けど……
「もう動かせるの!?アイツ……アイツ、探してるみたいなの!!」
「何をッ?なんかわかんないけど大変だな!?」




