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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
碧の底……——久遠のシンフォニー
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「ビー!ビー!ビー!ビー!……——!!!」


 聞き慣れた緊急エマージェンシー警報アラーム


 松明トーチが燃え上がり、景色が赤く染まる。


 アタシたちはモバイルを探したけれど、警報内容が食堂に浮かび上がる。


 ——総員、地下シェルターに避難


 食堂のスタッフの人たちが、トングやペーパーナプキンを放り投げて誘導に回る。


「生徒、研究者の方々は矢印に沿って進んで下さい」


 地鳴りのような振動に襲われる。


「——パフェが……途中なんだが……」


 言いながらもジュンはスプーンを置いて手早く荷物をまとめている。


「今度食べたらいいよ!ねっリディア」


 リディアはモバイルホログラムを凝視していた。


「リディア?」


 リディアの瞳が、赤に変わる


「入口の白蛇しろへび様が……動き出したんだって……」


「え……?いいから避難しよ」


「私のレイダー、キュロス君と同じ水中(シー)神竜(サーペント)なんだ」


 リディアの指先で、Acceptati(うけいれ)on()の文字が点滅した。


「待っ……」


 ダイヤモンドみたいな、透明なライズブレス。


「ほっしーちゃん、私、Hylab()-Aquarea()が好きなんだ。……だから」


 リディアの指がブレスに触れると、セーラー服が白ジャケットに変わる。


「私、許したくない。ここを壊すやつのこと」


「リディア!」


 伸ばした腕が、むなしくくうを切った。

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