表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
碧の底……——久遠のシンフォニー
289/741

281

H(スイ)He(へー)Li(リー)Be()B()C()N()O()F ()Ne()……」


 Hylab(ハイラボ)-Aquarea(アクエリア)の教室は、岩窟がんくつの中みたいだった。


 ひんやりとした砂や鉱石こうせきがきらきらと光る穴の中に、ぼんやりとした松明たいまつみたいな灯りが灯る、静かな教室。


 暗くも明る過ぎずもなくて、不思議と集中力が湧いた。


 いかにも科学者な、白衣にメガネの人の良さそうなエリアス・ランゲ先生は、岩を削った黒板(岩板……?)に、すらすらと元素の周期表を書いていく。


 実はアタシは、周期表を全て覚えていた。


 原子番号1番H、Hydrogen(ハイドロジェン)、水素……


 水素の力で動くハイドロレイダーのことを、少しでも知りたかったから。


 古代のロケットも、水素で動いていたという。


 でも今はそれだけじゃなくて、原子自体に興味が出てきてもいる。


 この世の有機物も無機物も全て、原子から出来ている。


 原子の運動や特性を知ることによって、母やサブローの役に立てるのではないか……


 少なくとも何も知らないままではいられないのだ。


 とはいえ、ランゲ先生はいい人そうだけど、洞窟内の不思議な居心地の良さに、アタシは眠くなってもきていた。(予習の賜物たまものでもある!)


 そういえば、白蛇しろへび様か……。


 ノートの端に、可愛い蛇の絵を書いて、気を紛らわせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ