表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
六月のブルー……——灰色の雨
260/744

254

「キィィィィィィイィ〜ンッ!!!」


「わっ!」

「みっちゃん!!」


 そうちゃんも見た目は細いけど結構鍛えているはずなのに、ロボちゃんの勢いにアタシたちは跳ね飛ばされて甲板を転がった。


「ぎゃっ!ごめーん!!!」


 慌てて駆け寄るこの華奢きゃしゃな少女のどこにそんな力があるのだろう……でも、ロボちゃんがすっかり元気みたいで良かった。


「強いね、糸生いといさん」


 二人に引っ張られてアタシもどうにか立ち上がった。


「いや〜……朝のランニングをって思って」


「いつも、やってるの?」


 アタシはいた。


「ウン!」


 力強い笑顔が可愛い。


 なんて思ってると、遠くから、太鼓の音が聴こえる。


 甲板を爽やかな海風が通り抜ける。


「……カホン……かな」


「カホン?」


「俺も詳しくないけど、ランドオブサウスの楽器かな」


 広い甲板の向こうのほう、そうちゃんの視線の向こうに、小さい箪笥タンス(?)みたいな箱を軽快に叩くマックスが見えた。


 南の空と太陽を思わせる軽快なリズムに、心が嬉しくなる。


「ハピ……幸子サチコもいるね」


 カホンの隣には、太鼓のリズムを噛み締めながら、リゾートなイスとテーブルで何かを一心不乱に書いている幸子さちこが見えた。


「1組の課題なのかな。マックスと幸子さちこさん、同じクラスだしね」


「可愛いよね!幸子サチコって!」


 にっこりするロボちゃんこそ可愛いと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ