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「申し訳なかった!!!」
こっぺこっぺ……こっぺこっぺ……
アタシは土下座するサブローを見下ろしながら、ちゃぶ台のお櫃からご飯をよそっていた。
最近シュウジもよく食べるし、サブローが超食べるから、どれだけ炊いても足りない。
シュウジは青、母は藤色、アタシは猫柄のお茶碗だ。
「……それはいいんで、質問に答えてください」
アタシはサブローの前に白いどんぶりを置いた。
シュウジに聞いたけど、サブローは白が好きなんだってサ。
「もちろんなんでも答えよう。でも本当にすまなかった。すでに痛覚連動システムは弱めているがその……腕は大丈夫でしょうか」
ハイドロレイダーの痛覚連動システムによって、アタシとシュウジは右腕がちぎれる感覚を味わうという、トラウマ級の体験をした。
「まぁ、大丈夫です。それどころじゃなかったし」
「サブローさん、食べましょ~」
弟が凄い勢いで生卵を溶いている。
「痛みがわかんないと逆に危険なんで」
私も卵を溶いた。
「すまない……そういう仕様だったが、痛みレベルが大人がビンタした程度を超えないように仕様を改めた」
「ささくれを毟るレベルに下げてください」
母が味噌汁をどん!とちゃぶ台に打ち付けた。
……どっちも結構痛いと思うけど。




