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「目覚ましに使ってくれる人、多いんだよね☆」
リディアのモバイルから、ハピたんの曲を流したまま、アタシたちはブリリア・オブ・ノアのデッキを歩いていた。
ロボ菜ちゃんは昨日の夜アタシたちが眠ったあと、無事に助け出されて医療仮眠室に連れて来られたらしい。
「「「元気出せない時も……幸せじゃない時も……」」」
朝ごはんをいっぱい食べて、みんなで歌いながら笑う。
「「「自分のペースで——……乗り越えてゆこう——」」」
繋いだ手が暖かい。
レイダーの機獣型から人型への変形は、かなりのコツがいるらしい。ロボ菜ちゃんはまだ慣れていないらしく、自力での変形が無理らしい。なので宗ちゃんの遠隔操作で、ロボ菜ちゃんのレイダーの首を慎重に蛇の尾で落とし、切断面から慎重にサルベージされたそうだ。
リイヤは、人型に変形後、強制射出、玲鷗は自分でトレーニングルームに無事帰還出来たそうだ。
「やっぱり練習しないとダメだね。搭乗も」
ロボ菜ちゃんはへへ、っと笑った。どこか傷ついているようだった。
こういう時、アタシは上手く言えない。
「ま、助かったから良いんじゃないの?☆」
幸子の姿が、背景のスカイブルーも相まって、綺麗で眩しい。
でも、キラキラのメロディーとどこか泣きたくなる青に、勇気も貰えるのだ。
青の中に浮かぶ頑健な飛行艦の眼下の波が、キラキラ光っている。
「……眩しいね」
そう呟いてリディアが微笑った。
「本当キレー☆空も海も。あっそうだ!!☆☆☆」
幸子が昨日メイテルさんにクリーニングして貰ったセーラー服のスカートのポケットをごそごそと探った。
「ねー☆これ綺麗だよね」
朝、メイテルさんが食後にとくれた青いキャンディー。
オーロラに輝く包み紙が、海と同じように輝いている。
◯◯◯
「シュウジ、昨日なんで部活休んだん?」
「やや、君は僕の射撃部の友人の一見モブ顔だけど、よく見ると雰囲気イケメンの口笛世界大会小学生の部、準優勝の林君じゃないか!」
「なんだその説明的なセリフ……笑」
「いや、姉の学校でビーチバレーをやるっていうから、予習したりね。やるからには勝ちたいじゃない」
「あぁ、……例の活動関連か。それで午前中もこっちの授業居なかったのか」
「まぁね。でもこっちも大事だからさ。やれる範囲で少しずつやるよ」
「だな」
「心配ごめん!大丈夫だよ」




