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ニャニャニャニャーン、
ニャニャニャニャーン……
陶器の目覚まし時計は、猫のしっぽを押すと止まる仕様。
頭にボタンが付いていればいいのにな、と思いながら、アタシは布団から手を伸ばして、トラ猫の体をくるくると回す。
ニャニャニャニャーン、
ニャニャニャ……——。
かわいいけど、しっぽが小さすぎるんだって。
六畳の和室に敷かれた布団は、すでにアタシの布団だけだった。
隣の四畳半を見ると、ちゃぶ台に座ったシュウジが、ビカビカとしたテレビの光を浴びていた。
穏やかな顔だった。
アタシはトラ猫を元に戻してから、ちゃぶ台に座る。
「あ、姉おはよう」
「……はよう」
敷きっぱなしのアタシの布団で楓がまだ寝息を立てていた。
「おはよう！」
豚汁を運びながら、母が言った。うん、元気が過ぎる。
「おはよ」
アタシは豚汁を飲んだ。
朝イチの豚汁って結構おいしいよね。
テレビに昨日の映像が映っていた。
三角の白い瞳が動きに合わせて金色に発光。グリーンカラーの角ばった体躯。
古代の戦車を人型に変形させたみたいな片腕の千切れたロボットと、闇夜に根を張ってはみたけど、消えていくホーリーチェリー。
現在の時刻、7:55分。
テレビ画面右下には……
ホーリーチェリー・消失。
銀と青のテロップが浮かび上がっていた。
