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「ど……う……して…………」
太平洋の真ん中、絶海のブルーホールの真上の監視艇の艦橋で、アタシたちは眼下の光景に言葉失っていた……
ブルーホールに飲まれていく巨大な緑の獣……
「な……何か手はないんですか!?」
アタシは艦橋スタッフに詰め寄った。
「あ、あの中に……ロボ菜ちゃんがいるなんて嘘ですよね!?」
さっきまで希望に満ちていたみんなの顔から血の色が無くなる。
待っていただけだ。
アタシたちはロボ菜ちゃんの到着を。
Hylabの搭乗者全員のレイダーが着艦してもなお余りある巨大な飛行艦の巨大な影が、怖いほど青い海に影を落としている。
「待って……!動いてる!ロボ菜ちゃんのレイダー!!」
「また直接……!」
「だめだ!みっちゃん!!」
水素針を射出したアタシの腕が強く掴まれた。
「……諦めろって言うの……?」
「違う……アクアフルールは水中実験が終わってない。……だから……」
「宗!繋がった!!」
ブリッジのメインモニターに、ロボ菜ちゃんの姿が映る。
「ロボ菜ちゃん!!!」
「ごめん!また失敗した!!!」
ロボ菜ちゃんの瞳は、焦燥に包まれていた。
なす術のなさが、ブルーホールに飲まれていく。
「こんな課外授業ってあるのかよ!」
ジュンが吐き捨てた。




