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「ハッ……ハッハァッ…………!!」
ライトアップされた夕方のセントラルパーク……だった場所をアタシは走っている。
剥き出しの岩盤に、セントラルパークの緑が散らばっているのが不謹慎にも絵みたいに綺麗だ……。
「アクアフルール!!!」
バリア越しに見る緑は、海底のように暗くも美しい……。
……見えた!!
「桃菜ちゃん!!桃菜ちゃん!!!」
中途半端に獣になりきれない半獣のレイダーの亀裂から、小さな少女が棘のように飛び出している……
「みっちゃん!HMWの濃度が高い!もっとバリアを展開して!!」
「うん…!!!ッ!!ダメっ!!落ちる!!」
亀裂から少女がズルりと滑り——
「桃菜ちゃん!!!」
アタシの絶叫の横を、風が通り過ぎていく……
「キャッチ!!!」
「リイヤ!!!」
間一髪のところでリイヤ・キュロスが桃菜ちゃんの身体を受けとめた。
「バリアを切らさず機獣型レイダーから離れるんだ!!」
「桃菜ちゃん!!!桃菜ちゃん!!!」
リイヤと並んで走りながら、アタシは呼びかけ続けた。
桃菜ちゃんが目を覚ます……
「青葉……墜つ。緑、尚生きる……石の……上」
「え?」
息を切らせて立ち止まる。
「難しいねほっしー。レイダー乗るのって」
桃菜ちゃんは笑った。




