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「えっ!ハピたん!?」
急にしおらしくなったロボ菜ちゃんは、アタシと同じ普通の女の子にも見えたけど……
「私、ハピたん好きなの!」
照れながら自分の気持ちをはっきり言うロボ菜ちゃんは、どこか遠い雰囲気にも感じた。
「あ、アリガト。私もショートカットが似合う女の子って好きだよ、ん☆」
逡巡なく手を差し出した幸子も、なんだか遠い存在に思えてしまう。
「糸井さんも住まいは日本かな?僕たち日本行きのワープエリアに向かうけど」
「あ、私は今はブラジルに住んでるんだ。前までは新宿に住んでたんですけど。雨沢さんのこと、知ってます。サチエちゃんも居るって聞いてたんですけど……」
「!!!」
アタシは幸子を見つめた。
そうだ、幸子は星ヶ咲サチエ、アタシの従姉妹のさっちーとしてショーコに会っていたのだ。
こんなにそっくりなのに、幸子とさっちーが同一人物だと気づかなかったショーコは素直というかなんというか……
「サチエちゃんって子はいないみたいかなー☆」
シレッと幸子は言った。
「でも偶然☆私も幸子って言うの。少し似てるよね☆えっと、ロボ菜ちゃん、ハピたんでもいいけど、良かったら幸子って呼んでね!」
「うん!」
ロボ菜ちゃんの力強い瞳は、にこっと微笑むと急に無邪気に、ハムスターみたいに可愛かった。




