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「緑色の……虎……」
その猛々しい姿は、マンハッタンの街を塵にしていく……
「大丈夫だよ、みっちゃん。あの辺りの住人はもうみんな避難が済んだってさ」
薄暗い教室で、宗ちゃんがいくつもホログラムモニターを展開する。
「暗い暗いっ☆」
幸子が教室のライトを点ける。
昼間と同じくらいの明るさになって、気持ちが少しずつ落ち着いてくる。
「あー、ダメだ、ワープロックかかってるみたい」
ライズブレスはびくともせず、アタシたちはレイダーのコックピットにワープ出来ないでいた。
「凄いね、あの子……」
緑の獣が、銀虎を蹂躙していく。
幸子は髪をくるくると指に絡ませながら、ため息をついた。
「うん……」
獣の瞳が、金色に光る……。ハイドロレイダーみたいに。
「機獣型レイダー……対干支型ディストレスに特化したファイタータイプのレイダーだ」
宗ちゃんはホログラムモニターの中の獣の姿を拡大した。
真っ直ぐな瞳。鋭い爪……全てがどことなく重なる。
糸生桃菜に。
「おー、やってるねぇ」
リイヤ・キュロスがいつの間にか教室に戻って来ていた。
「リイヤ、帰ったんじゃなかったのか?」
「いやー、セントラルパークでも散歩しようと思ったんだけどねぇ」
にっ、という笑顔が、今朝の学校生活の続きみたいでやっと息をつけた気がした。




