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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
春の河……——雀翳ろう、おぼろ月
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 スポットライトを浴びたエンパイアステートビルのてっぺんに、二匹の巨大な虎が激しく爪を交わしている。


 一匹は美しい銀虎ぎんこ


 もう一匹は濃緑色のモンスター。


「みっちゃん!逃げるんだ!!!」


「でも!」


 アタシは緑虎りょっこの動きから目が離せない!


 無数のHyLA(ハイラ)の円盤がニューヨークの空を埋め尽くし、まるで舞台みたいに明るくしているのだ……。


「行こうよ!ゴーグルおじさん!!」


 幸子さちこはライズブレスをワープシートに変えようとして……


「待つんだ!我々への指示は施設への避難だ!戻ろう!」


「でも!」


 アタシは細い裏路地を見つめた……


 さっきまでそこに居た、小さな少女の微笑みが嘘だったみたいに。


 ビー!ビー!ビー!ビー!……——!!!


 街全体から警告音が鳴る……


「避難して下さい!」

「外出者はシェルターへ!」

「避難してください!」


 街のあらゆるところから、あらゆる人たちのホログラムモバイルで避難指示が鳴る……


「……——っ!!!」


 エンパイアステートビルの緑虎りょっこが、銀虎ぎんこを吹っ飛ばした!!


「セントラルパークの方だ!」


 アタシたちは急いでHylab(ハイラボ)の教室に戻った。


 街が傷ついている……


 広大な緑の中に横たわる銀虎ぎんこ——


 月を背にした獣の瞳は、真っ直ぐに前を見据えていた……

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