表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
春の河……——雀翳ろう、おぼろ月
221/743

215

「えっいつの間に……」


 というか、そうちゃんも机で眠っていた。別に……みんなで帰る約束してたわけじゃないけど。


「ミーっカ!お疲れ~~~☆☆☆わ、この教室すっごい綺麗キレー☆☆☆」


 幸子さちこのベージュのスカーフが夜景を映したみたいにうっすらと光っている。


「あれージュン氏は?ま、いいけどさ☆」


 幸子さちこが現れて、急に学校のドキドキが戻って来たみたいに、あったかくなる。


「さー?たぶん帰ったんじゃない」


「ジュン氏らしいねー。てゆか私たちも帰ろ☆☆☆お腹空いちゃったしさ!」


 昼間、あれだけドーナツ食べてたのに、幸子さちこって結構食べるよね。


「いーの☆頑張ってるしさ☆」


 がやがやと階段を降りて行くと、夜の空気。


 少し薄暗くて、街の灯りが輝いている。


「今日のごはん、なにかなー☆」


 完全にウチで食べる気だね、これは。まぁいいけどさ。


 ふぅ、とため息をついて、街の灯りに見惚みとれる。


 この路地の先にワープエリアがあって、アタシは三叉路さんさろを思い出す。


 懐かしいような新鮮な気持ちだ。


 いろいろ、街を探検してみたいな。好きになりたい。


 高い所から星みたいに見えた景色は、思いのほか優しくて親しみが湧いた。


「ねぇ!ほっしーだよね!」


 秘密を暴くみたいなわくわくした声が、アタシを振り返らせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ