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「2-3だと……?」
HyLabの入試はトレーニングルームでの面接とメディカルチェックのみ。搭乗者は既に、日頃のミーティング、搭乗中のデータ、それぞれの学校の学力データを収集されており、面談で専攻希望を訊かれたあと、興味の傾向から選出されたオススメの学問から取得単位を選んでいく。
アタシはやっぱり本が好きだから……国語の学問などが含まれる、言語学専攻の希望を伝えた。
クラス発表はもちろんモバイルホログラムでも見られるけど、中学進学を楽しみにしてたアタシは、HyLab編入を決めたジュンと、ハワイに作られたHyLA本部の中庭の掲示板に、クラス分けを見に行ったのだ。
常夏の風が爽やかで心地良い中、ジュンの銀色の長い髪がキラキラと舞う。
「我は……春から中3の筈。何故また中2をやらねばならんのだ……」
「そういう訳じゃないでしょ。どちらかと言えば塾みたいな形態なのかな、ホラ、俺も同じクラスだ」
貼り出された2-3の名簿の一番上に、雨沢宗一郎の名前が在った。宗ちゃんはこれを機に、偽名を使うのをやめたみたいだった。
「1組が芸術学、2組が科学、3組が言語学か……俺は2-2、別のクラスだな、宗」
玲鷗も宗ちゃんに誘われたらしい。……まぁ、玲鷗も本当なら高2の筈だもんね……。
玲鷗は健康スポーツ科学を体感レベルだけでなく、学術的に学んでみたいらしく、アタシたちとは別クラスだ。
「まぁ体育は全クラス一緒にやるみたいだからさ、玲鷗」




