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「「「薄明の光が白炎となる」」」
深淵な森の緑の美しい光——……
ハイドロレイダーが輝いていくのが分かる。
「俺の」
「私の」
「我の」
「力を光に変えて!」
目の前の白虎が光に怯んだ!
「切り裂け!!」
光の芯は、天高く伸びていく……
「「「ディストレス!!!」」」
揺れながら……だけど折れない剣となって!
「「「エクセキュート!!!!!!!!」」」
天に届く祈りのように!!!
「ブレーーーード!!!!!!!!!!!!」
振り下ろした力は、白虎のルーズスキンを切り裂いた!!
「姉!どうしよ!!!!」
「シュウジ!あれは猫じゃない!白虎だってば!」
「シュウジ!集中しろ!!!」
「ごめん!ジュン君!!!」
致命傷を避けた巨大白虎が再び襲い来る!!
「「「薄明の光が白炎となる!」」」
誰の心も強いばかりじゃない
「俺のっ」
「私の!」
「我のォーッ!!」
「「「力を光に変えて!」」」
向き合ってないと誹られるかもしれない。
「「「降り注げ!!!」」」
いつも、シュウジが……羨ましい
「「「ディストレス!!!」」」
アタシは間違ってるかもしれない。
「「「バーキング」」」
「そう?」
……ショーコが、笑った気がした。
「「「アロー!!!!!!」」」
湿った悪意が光に溶けていく……
「良くやった、皆んな!」
「えっへへ!ありがとうございます!ピース!」
サブモニターのサブローに向ける、シュウジの笑顔が眩しい。
「あとは、巨大桃の木を射程外から打てばいいだけだな、ふぅ。下がるぞ、シュウジ、ほっしー」
機体が揺れる感じがして、アタシは遠ざかる桃色の蕾から目を話せなかった。
可愛らしい桃の蕾が遠ざかっていく……
「ミカ君?……疲れたかい?」
サブローの所為じゃない。
誰の所為でもない。
「姉?少し休む?」
シュウジのキラキラした瞳。
ジュンは既に休憩する体制で、ペットボトルに口をつけていた。
「猶予はある。我も疲れた」
何故と、責められるだろうか……
「ミカ君、開花まで時間は充分にある。何か飲みたいものを転送しようか?」
サブローの通信にアタシは応えた。
「サブロー、アタシ……公立行くの…………」
誰も……
「辞めます」
……誰も責めない




