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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
ライアー……——エイプリルLABフール
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「まぁ、僕と姉の友だちならこころよくやってくれるでしょうね!」


 静かにホットココアを飲んでいた弟が、アストロ銃をピコピコと光らせた。


「わ!まぶしっ!!!」


 暗い海辺が急にまぶしくなって、アタシは目を白黒させる。


「サブローさん、僕はHyLA(ハイラ)を信じてますから、これからも友だちを増やしますよ!中学だって、部活の仲間と離れるの嫌だし、公立に行くつもりです」


「——っ!!!」


 アタシは光を放つ弟を見つめる。アタシが選ぶことが出来ない選択肢を、いとも簡単に繰り出す弟を……


 でも確かに、一縷いちるの希望みたいな光が胸にともって、ふいにショーコの笑顔を思い出した。


 ショーコは不安なアタシを、何言ってんのさと笑うかもしれない……だけど……保証なんて無い……


「ありがとう!シュウジ君。……ミカ君ももちろん、公立に行ってもらって構わない」


「でも……」


 関わったら危険が及ぶかもしれない相手……しかも、アタシなんかと、初めから分かっていて仲良くしたい人なんている?


「アタシ……」


「ミカ君?」


 テラスの椅子から立ち上がったアタシを、サブローが心配そうに見ている……

 風がやけに冷たくて、遠くに見える灯りが、急に手の届かない幻みたいに見える……


向こうさん(ディストレス)も……上手い手ですよ。ショーコや同級生に何かあったら、アタシ……搭乗れなくなりますから!」


「ミカ君!」

実華みか!」


 怒りみたいな悲しみみたいな不思議な感情が込み上げてきて……アタシは夜の海の街を駆け出していた……

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