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学校行事が続いたり、委員会が続いたりすると、メッセージを見るのが遅くなったりする時がある。
それに、昨日の打ち上げが楽しくて、久しぶりに目覚ましをかけないで眠りについた。
布団で目を覚ました時には、もう外は明るくなっていて、時計の数字は11:55AM.
かなりぐっすり寝たみたいだ。
隣の和室で、古代のテレビゲームをやっていた弟は、もうボスに差し掛かるところだった。
「あ、姉、おはよー」
「……はよう」
「コーヒー淹れよっか?」
シュウジの言うコーヒーは、カフェラテのこと。
「うん」
ボーっと、画面のボスの甲羅を見つめ、痛そうだなぁと思う。
シュウジは何度もクリアしてるゲームだから、きっとまた倒せるだろうと思う。
「ほい」
カフェラテのいい匂いがして、アタシの前に、猫のタンブラーがことんと置かれる。
網戸の向こうは晴れ渡っていて、青くていい天気だ。
「ふー、旨」
「なら良かった」
シュウジはPAUSEを解除して、ボスを器用に倒した。
ファンファーレが鳴り、祝福のエンディング。
小気味良い電子音と共に、エンドロールが流れていく。
「ふー、旨」
シュウジも満足気に、自分のカフェラテを啜った。
「クリアおめでと。そういや、母は?」
「仕事だよ」
なんと。母も昨日あんなにカラオケではしゃいでいたのに……




