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「ほっしぃ!ご免!!!」
チリ、とアタシの前髪が燃えて、緑のプラズマが瞬きする間に通り抜けていく——風……!
桜が舞って、ヤマタノオロチの巨大が大きく畝った。
気づいたらほとんどの目が光を失い、螺鈿のような美しい鱗が傷つき、光っている。太陽を浴びて。
……違う、あれは太陽じゃない。
「シュウジ!!!ア、アクアフルール!!な、何やってんの!!!」
弟はオロチを見つめて、動かない。
「ミカ!!シュウジ君を守って!!!ショーコちゃんは大丈夫だから!」
弟の青いガントレットが仄青く輝き、水素針の切先が真っ白に輝く。
「アクアフルール!!!!!」
弟の前にバリアを展開し、攻撃を防ぐけど、オロチの頭突きよりこっち側の熱が……熱いッ!!!
「……明の光が……」
「何!?アクアフルール!!!」
シュウジの体が光を帯びていく……
「俺の力を光に変えて!」
水素針から光が天に迸る!!
「切り裂け!!」
熱い!!!
「ディストレス!!!」
「ちょっとシュウジ!!!」
「エクセキュート!!!!!!!!」
シュウジはオロチから目線を逸らし、ショーコの家のほうを向いて天高く伸びる剣を構えた!!!
「ブレーーーード!!!!!!!!!!!!」
「どこ狙ってんのォーーーーーー!!」




