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「成程……」
ショーコは、切れ長の穏やかな瞳で、じぃっと、ゆらゆら揺れる紅茶を見つめながら言った。
「私やほっしぃの記憶から作られていそうなこの、亜空間シェルターっぽい異次元空間に、私たちは閉じ込められた……ってわけだ?」
流石ショーコ!天才!!!……じゃない!
「警察……おそらくハイドロレイダーの関連機関の本部の人的な人に連絡を取ろうにも取れず……いや、もしかして三人がパイロットなのかな?今この高尾山を模した空間内にも凶暴化したAIdが居て、結構危険……当たり?」
当たりっ!!!ショーコ、大正解!!!
……じゃない!!!
流石、小学生にして栄養学を極めようとして、世界の食を生き物の生命繋ぐ観点から支えて広めていきたいという確固たる夢を持ち、中学受験を志し、見事夢への一歩を掴んだショーコさんの思考力は伊達じゃないね!……じゃないんだよ……!!!
「一応ね、やってみたんだけど……ウチのワープ装置、弓道場への直通経路も使用不能だね」
そう言えばショーコさんやってたね!趣味で。
「水素針は……出る」
アタシは泣きそうになりながらも、ぎゅ、っと水素針を握りしめた。
「ね、ねぇ……あの窓の向こうに見える影……なにかな?☆」
ショーコの家の二階の窓は広くて綺麗。
薄いレースのカーテンを開けると、美しい富士山が見えた。
その後ろにグネグネしているアレは……
「……嘘でしょ?」
アレは……見たことあるアレは……
「こ、こっちに来る!!!」




