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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
閉ざされた世界……——サクラ、花冷え、花曇り
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真紅の(コランダム)爆炎(ブレイズ)☆☆☆☆☆☆」


 真紅あかい、炎に包まれて、猿たち(ディストレス)は、次第にその数を減らしていた。


 冷たい風が吹く。


 神秘的な、自然に囲まれた石が敷かれた坂道をずっと歩くと、頂上へ続く階段が現れる……はずだった。


 あの遠足の日の青空に、亜空間のあかが混ざって、闇に映る桜色のような不思議な紫の空間は、アタシたちを美しくうつろに見下ろしていた。


「どうする!?」


 幸子さちこが叫ぶ。


「たぶん、ショーコはこの上に居る」


 はずなのに……。ピンクのような紫の空間が広がるばかりだった。


「……カ君!思い出すんだ!遠足の時に登った道を!」


「サブロー!どういうこと!?」


「その空間は、君たちの記憶から成り立ってる!記憶の欠如により階段が瓦解がかいしてしまっているようだ。記憶の中の道を、強く思い出すんだ!」


「ゴメンミカ!私……パーソナルヘリで頂上に行っちゃったから……思い出せる!?」


「や、やってみる!」


 でもムリ……。遠足は楽しかったけど、階段登りはあの頃のアタシにはすっごく辛くて、へとへとでいっぱいいっぱいで……記憶なんてない!


 辛かったことなんて忘れちゃうよね!?


真紅の(コランダム)爆炎(ブレイズ)!!!サブロー氏、思い出せなかったらどうなるの!?」


 勢いが衰えたアタシたちに、猿たち(ディストレス)が再び襲いかかる。


「良し、作戦の練り直しだ」

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