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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
宵闇のホーリーチェリー……——示せ、二つの絆
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 昨夜の宣言通り、今日は学校に行った。


 アタシたちにも友だちがいる。

 弟には特に、沢山いる。


 それに、いつもと同じふうにしないと、落ち着かなかった。


「おはよー」

「おはようほっしぃ」


 苗字が星ヶ咲だからほっしい。星ヶ咲実華(ほしがさき みか)なんて名前負けにも程があるほど普通なアタシはこの呼び名が落ち着く。


 学校は思いのほか、いつも通りだった。

 搭乗者の情報は隠蔽いんぺいされていたけれど、地球が助かるかもしれないという希望で、クラスの空気が沸き立っているかもしれないと思っていた不安プレッシャーは、杞憂きゆうに終わった。


「ほっしぃの家の近くにディストレス出たよね。大丈夫だった?」

「大丈夫だったよ。シェルターに居たし」


 何人かに聞かれたけど、アタシは同じように答えた。


 残りの日数をかんがみて、登校は自由だ。

 アタシは友だちと担任に、明日から埋蔵金を探す旅に行くから、少し休むと伝えた。凄いじゃん、と言ってくれたコもいた。

 担任は星ヶ咲(ほしがさき)さんらしいですね。と何故か笑った。


「ほっしぃ、なんかあった?」


 ショーコだけはそう聞いた。


「いや、せっかくだから。やり残したことやっといたほうがいいと思ってさ。ショーコも行く?」


 なんて言ってみた。


「いや、私はお茶でも飲んで過ごそっかな」

「そっか」


 埋蔵金探しから帰ってきたら飲もうね〜、とショーコはアタシの背中に触れた。

 ショーコの淹れる紅茶はおいしいのだ。とても。

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