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「ハァ〜☆ショーコちゃんちの抹茶ラテはおいしーねぇ☆」
……とうとう、ショーコもアタシもいないのに、ショーコのキッチンで寛ぐ幸子にアタシはため息をついた。
「お、サッチー、久しぶりー」
ほっしぃのハトコの鑑原幸子似の中2の女子。略して(?)サッチーらしい幸子はご機嫌にショーコに手を振った。
「久しぶり〜☆ショーコちゃん☆☆☆」
「じゃないよ、さ……さっちー?な、何でさっちーがここに?」
「ショーコちゃんのお母さんが入れてくれたんだ☆☆☆お土産も持って来たヨ☆☆☆」
幸子のクッキー……。
どこで買ってるのか分からないけど、とんでもなく美味しいんだよね……。
アタシも抹茶ラテを淹れて、しぶしぶ席に着いた。
うーん。本当にショーコの家のお茶は美味しい。抹茶ラテも、コーヒーも紅茶も、日本茶も。
レイダーと出会う前は、アタシも図書館に行ったり、本屋に行ったり、毎日ショーコと会ってたわけじゃない。
きっと別々の中学に行っても、この時間は無くならないのだ。
ラララ We believe in the future.
クラス唱歌を反芻する。
「今は 見えないけれーど……」
「ん?」
丁寧にアッサムの煙を燻らし、ミルクを温めていたショーコが振り向いた。
大丈夫。アタシはそう思った。




