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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
宵闇のホーリーチェリー……——示せ、二つの絆
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 シュウジがちゃぶ台に焼き立ての卵焼きを置いた。

 母の、甘い卵焼き。

 アタシの好物。


 母が、大皿に山のように盛られたポテトサラダをちゃぶ台にそいや!と置いた。


 あれ?ポテトサラダは作るの手間だから、時間がある時にしか作らないのに、いつ作ったんだろ。嬉しいけど。


あね、麦茶飲むでしょ?」


 弟が三人分の麦茶を用意する。


 あ、ほうれん草のお浸しもアタシの大大大好物だ。


「「「いただきます」」」


 アタシはポテトサラダを一番に食べた。

 ……あったかい。作りたてだった。


「あのさ、母、その包帯どうしたの?」


 母は昨日から、腕に包帯を巻いていた。


「母が乗ろうと思ったんだよ。血を採ったり、イオンバランス?を整えるために点滴したりしたんだけど、駄目だったんだ」


「へぇー……」


 アタシはほうれん草を食べた。


 え、母が?母はむかーし、昔、テニスでいい線行ったらしいけど、ロボットに乗るお母さんて。


 アタシはちょっと面白くなってきてしまった。


「どうせ、29日後にはみんな死ぬんだし」


「ミカはそう言うとも思った」


 母はせっせとアタシたちのグラスに麦茶を注ぎ足していた。


 弟は、テレビ画面に繰り返し映るハイドロレイダーの姿に、目を輝かせている。


 「ねぇ不謹慎、って言葉知ってる?弟よ」

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