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「ど、どういたしまして」
たしかに、なんか、アタシって、ありがとうって言われるとやけに緊張しちゃって、咄嗟にそんなコトない、みたいな感じっぽいようなこと言ってるかも……
クセになってる。
ぎ、ぎこちなかったかな……と思って見上げるとエリカさんもマーガレットさんも嬉しそうに笑ってくれた。
「さて諸君、HyLAは協力者を大切にしたいと思ってる。本来はまだ座談会のプログラムが残っているが、それは明日の午後にして、今夜は休もう」
「はい!サブローさん!!」
シュウジが手を挙げる。
「ん、なんだねシュウジ君」
「明日の午前中、グリニッジ天文台に行ってみたいです!」
グリニッジ天文台かぁ。アタシもちょっと興味ある。でも正直疲れたし、起きられる……かな。って幸子も興味しんしんみたい。なんか意外……。
「良かったら私が案内するわよ。小さい頃、良く行ったから」
エリカさんはプライマリースクール時代に遠足で行ったあと、家族と何度も行ったらしい。
「私も行きたいわ!」
マーガレットさんも手を挙げた。
「じゃあ皆んなで行こー☆わー☆☆☆オフらしくなって来たッ☆」
幸子が嬉しそうに飛び跳ねた。
IOPの事件の影響も無意識にあったのかもしれないけど、アタシは、日本から出たことがなかった。
家と学校を往復するだけでいっぱいの暮らし。
楽しいこともあったけど。




