127
「「バーキングアロー!!!」」
雷雲も、今、あの黒い靄も、レイダーの輝き、力を行使する時に集まってくる。
「「アロー!!!」」
人類への警告なの!?
「「アロー!!!!!!」」
新しい力に、淘汰されろっていうこと!?
「「アロー!!!!!!」」
でもアタシたちは生きてる……
守りたい暮らしも、仲間も、やりたいことだってある……
大人しく諦めてやるわけにはいかない!!!
「「アローーー!!!!!!!」」
黒い靄が、霧散する。
「やった!!!」
「ミカ!危ない!!!」
モニターに、コランダムレイダーの姿が飛び込んで来る。
一瞬開けた視界を直ぐに闇が覆う。
「!?」
沢山トレーニングしてる。変わらずにずっと。
「嘘……」
背中から押しつぶすように、靄が忍び寄る。
「姉!!右足!踏ん張って!!!」
左が全部持ってかれた感覚があった。
「……!!!」
痛みはない。
冷たい……恐怖。
得体の知れない悪意はどうして……
こんなにも心を凍らせるのか……
「左手が……」
動かせない感覚が、錘のようにのしかかる。
……もうやめてしまいたい。
それでも……
「ミカ!」
「実華!!!」
仲間の声が聴こえる。
振動と共に、モニターに切断されたハイドロレイダーの左腕が映る。
「姉!!!」
「……こんなこと……」
右腕は動く!!!
「前にも経験済みっ!!!」




