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「うわ!何これぇっ!!!」
「大丈夫!?幸子!!!」
「む、無理っ!」
何!?……蟻!?
黒い狂気みたいな靄が、赤いコランダムレイダーの体を覆っていく。
「姉!」
「うん!!!」
アトミックサーキュレーターチームが、天気を晴らし、雪すらも溶かしている。
快晴!!!
水素針に力を込める。
「「バーキング・アロー!!!」」
「うわっ!」
散り散りになった靄は、アローの光で霧散したように見えたけど、こちらに集まって来る!!!
「ミカ!!!大丈夫!?コランダムブレイズ!!!」
プリズム——真紅のオーロラがコランダムレイダーから弾ける!
まるで光に集まるみたいに、黒い靄は再びコランダムレイダーに対象を変えた。
「キャー!!!手がう、動かな……てかこいつら何がしたいのかわけわかんない!うっ」
「幸子!!!」
ハイドロレイダーは再び水素針を構える。
「……だ……だめだ、ミカ……」
コランダムレイダーの輝きが、失われていく。
「こいつらたぶん……集まって来るんだ……光に」
光に。
その輝く姿が見えなくなるまで覆い尽くす黒い靄……。
「実華!!助けるよ!!!」
「あたり前!!!」
宗ちゃんが乗っていれば……。ハイドロレイダーだって、強い力で輝ける。シュウジとアタシだけの力じゃ……いやもしかしたら、アタシのせいで。
日毎に力を増していく仲間たちに、劣ってるって悲しくなる時もある。皆んなに比べて、アタシは輝いてないのかもしれない。
でも……。
「ミ……カ…………撤……退…………」
コランダムレイダーの全てが、得体の知れない靄に包まれていく。
「姉!」
「わかってる!!!」
アタシは幸子の仲間だ!
「「……薄明の光が白炎となる」
「俺の」
「私の」
「力を光に変えて」
「降り注げ!」
「ディストレス!!!」
「バーキングアロー!!!!!!!!!!」




