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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
狼狽のボヤッジ……——堕ちよ、緑の星
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 紅葉のような赤で、「E」の文字。


 猫が引っ掻いたような三本の銀の爪痕の上に、青文字でHyLA(ハイラ)。その横に、「E」のエンブレムが入った八芒星はちぼうせいが描かれた銀色のスライド・オートドアが開いた。


 柔らかい光の向こうで、アタシたちと同じジャケットを着た人々が行き交い、忙しなく働いていた。


 胸には赤い、八芒星はちぼうせい


「ようこそ、HyLA(ハイラ)-Eighth(エイス)へ」


 ロンドン見学を終えたアタシたちを、由子ゆうこさんと同い年くらいに見える綺麗な女性が、笑顔で出迎えてくれた。たぶん、古代世界のインドの血を引いていそうな、褐色の肌の美女。満月を見てるみたいな金色の瞳に丁寧にまとめられた黒い髪が気持ちを引き締めた。


 それから、たぶん雪子せつこさんと同じくらいの年齢の、凄く優しそうなプラチナブロンド、アンバーアイの眼鏡の女性。

 ベージュのチェックのつるが少し可愛くて、なぜだかほっとする。


 それから……Cシー・マクスウェル。


 アタシたちは互いに握手を交わして、HyLA(ハイラ)-Eighth(エイス)内のトレーニングルームに向かった。


 マーガレット・R・ジョンソンさんは、インドのエリアハイデラバードで学生をしているらしく、エリカ・L ・松崎まつざきさんはロンドンのOLさんだと、はにかみながら説明してくれた。


 ここのトレーニングルームも、どこまでも、あお


 なんだか懐かしい感じもしつつ、アタシたちはCシー・マクスウェルの一言めを待った。

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