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「Zweistern・Commontemps・Maxwellデス」
C・マクスウェル——。
世界的に有名なオーケストラ、IOPフィルとも共演経験がある天才ドラマー。
ソロも勿論、数々のビッグアーティストにもその才技を提供しているドラムマイスターの、秘密にされている本名が容易に明かされた。
「ヨロシク。ミス、happilarmcess、ホシガサキミカサン、ホシガサキシュージサン」
フサフサの黒い巻き毛、エメラルドのような緑の瞳の美少年によって。
ていうか、happilarmcessってハピたんのアーティスト名。やっぱり知ってたんだ。
「宜しくお願いします。私は幸子で大丈夫。こっちはほっしぃとシュウジ」
「ホッシー?シュージ?オケイ」
「マクスウェルさんは普段仲間に何て呼ばれてますか!?」
相変わらずグイグイいくな、弟よ。
まぁアタシも美少女耐性はないけれど、宗ちゃんや宗ちゃんの友だちで耐性はあったので、マクスウェルの所作は少し落ち着く。
それに、翻訳装置を使えばIOP共通言語に即時変換だけど、マクスウェルは古代で言うところの日本語で話してくれた。
「アー……仲間ハ、マックスト呼ビマス」
「マックスさんですね!」
マックスの緑の瞳はどこか懐かしい気がした。




