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碧の、亜空間みたいなカプセルの中に座って居た。
なんだか温かい。
目の前には様々な計器が設置されていて、二つの操縦管がアタシに向かって伸びていた。
斜め前、部屋の中心のカプセルに、おそらくシュウジが座っている。
「基本的には、君たちの運動能力と心に想ったイメージが脳波を伝ってハイドロレイダーを動かすことになる」
「ハイドロレイダーって、このロボットですか?」
「そうだ!シュウジ君!操縦管を握って!」
「はい!!」
「いや、アタシまじで無理なんだけど……」
「実華!」
そろそろと操縦管を握ると、スイッチが入ったように、カプセル内が発光した。
「ぎゃ!……え!?う、動いた!」
ロボットが立ち上がった感覚がした。
周りを見たい、と思ったら、目の前にモニターが展開した。
サングラスの男と母が、こちらを見上げている。
「攻撃の時はそこのレバーを引くんだ。水素針、指揮棒みたいなものが腕から射出されるから握って」
「はい!!」
「空気中の水素を集めて、水の矢が照射される。それをディストレスにぶつけるんだ!」
「はい!!」
「いや無理!」
「シュウジ君!ミカ君!機体を射出する!!!」
「はい!!」
「だから無理だって!!!わっ!!!!」
体がすごい勢いで空中に投げ出される感覚に急襲され、アタシの息は止まった。




