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富士山の裾野の荒野一杯に、鈴生りの巨大な薔薇の蕾。
ハイドロレイダーのモニターを埋めるその光景は、悲しい絵画のようにも見えた。
「何これ」
バカにしてる。アタシたちの涙は、努力は、無駄だったってワケ?
「宗ちゃん、大丈夫?」
「みっちゃんとシュウジが一緒に戦ってくれるんでしょ!?それに……」
「ダイヤモンドォ!フリィィィーズ!!!」
「サブローさん!」
一面の薔薇が、瞬時に凍っていく。
「ほっしぃ!避けろ!!!」
「ぎゃッ」
物凄い圧が、モニターを掠めたのをギリギリで躱した!
「えっ!!!」
見たことのない遥か上空からの景色が眼下に広がる。
円盤にライトアップされた富士山が一気に遠くなった。
「……凄い!三人で乗るとこうなんだ!実華!宗ちゃん!打つよ!」
天空から、矢を放つ!!!
「「「アロー」」」
神速の薄明光線が、ヤマタノオロチどころでは無い108つのヘビの頭に全て命中した!
でもダメ!直ぐに再生する!!
「ミカ!」
真紅の、ブレイズレイダー?
「お姉たち居なくても、私にも出来るんだから」
「「いるわよ!!」」
ヘブンズレイダーとナノゲイルレイダーが蛇の尻尾を止めていく。
血が沸るように紅い、真紅のレイダーが、水素針を天に翳した。
「一人は……寂しい。それに毎日大変だよ!でもっ」
富士山の戦い、観てたよ、ミカ。
地球は終わっちゃうと思ってた。
「私には出来る!」
どんな人が乗ってるんだろうって思った。
一個下の女の子って知って、泣きたくなった。
「絶対に!出来る!!!」
本当はお姉も由姉も!
みんな元気にしたい!!!この私が!
でも皆んなが居なくなっちゃったら……
どうすればいいのよ!!!
「ディストレス!」
絶対に!
「コランダム!!!!!」
終わる未来なんて!!!
「☆☆☆⭐︎⭐︎ブレイズ⭐︎⭐︎☆☆☆!!!」
変えてやる!!!!!!!!!!!!




