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旅物語  作者: ちび
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滅亡の記憶

機械の国



ショオスには前世の記憶というものがある。前世といっても死ぬ直前の記憶のみであるが。前世の彼は約500年前に故郷で事故によって死んだ。彼の故郷である「機械の国」はとても栄えていた。全てが機械化されており、人類はのんびりと好きなことをして一生を終える。仕事をする人は機械のメンテナンス業と開発業だけである。その国では更なる発展へ向けて新たな機械の開発を進めていた。やっと新たな機械の開発が終わり、機械の発表会の時であった。急に大きな雷が複数落ち、その国の電力が全てダウンした。

それから数日経っても電気は治らず、人々は苦しんだ。何故なら全て機械化されていたため、電気がなくては何もできなかったから。ご飯も作れないし飲み水も作れない。ろくに生活ができない中でどんどんと人が倒れていった。彼もその一人。彼は意識が朦朧とする中で昔読んだ書物に書いてあった言葉を思い出した。

「繁栄の先にあるのは滅亡である」 

 昔この世界を統治する大神が言った言葉としてずっと受け継がれてきた言葉だった。しかし、機械の発展とともに昔を学ぶ者がいなくなった。そしてこの言葉を知るものはほんの僅かである。機械化が進み国が栄えすぎてしまった。人々の生気はなくなり、この国の人間は死ぬまでの間何も考えずに生きている。そんな姿を見てこの国の神は呆れ民から電気を奪ったのだ。


今がその滅亡の時、なのかもしれない。  これが彼の最期の記憶である。

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