2021-02-25 残った自由度がヒッグス粒子
さて、これで素粒子というのは全部なのかというと実はもう一つ標準模型には素粒子がある。
ヒッグス粒子というのがそれなのだが、これはボゾンかフェルミオンかで言うとボゾンらしい。
ただ、先に出てきた光子とかグルーオンとかWボゾンとかZボゾンとかとはちょっと区別されている感じな気もしないではない。
標準模型で予言されてから、最後にその存在が実験で確認されたからだろうか。このヒッグス粒子、どうも物質の質量を生じさせるヒッグス機構と関係があるらしい。
なんでもヒッグス場という、2つの数字のペアで表される何か(スカラー場)を考えたとき、そのそれぞれの数字が普通の実数じゃなくて複素数だったりすると、「ひとつ目の数字の実数部分」「ひとつ目の数字の虚数部分」「ふたつ目の数字の実数部分」「ふたつ目の数字の虚数部分」という4つの自由度があるわけだが、それがなんだかんだで対称性の破れでワインの底型ポテンシャルが生じると4つのうちの3つはそれぞれWボゾン+、Wボゾン-、Zボゾンに取り込まれて、質量になるんだとか。
で、最後に残った自由度がヒッグス粒子なのだとかなんとか。うーむ。わからん。
まあとにかくこのお話から分かるのは、WボゾンとZボゾンとヒッグス粒子は仲良くヒッグス場を分け合った友達同士で、W/Zボゾンはそのおかげで肥え太り、残ったヒッグス粒子は長いこと見つからずに隠れておりましたとかそういうことなのかな、とか思ってみたりする。
ちなみに残りのボゾンの光子とグルーオンはヒッグス場を分け合うときに仲間はずれだったらしく、その2つには質量がない。
ボゾンは物質というよりは物質と物質の間で力を伝える波みたいなもの、というイメージを私は勝手に持っているのだが、そのボゾンの中には、質量を持っているものと持っていないものがいて、質量を持っているものはヒッグス場の要素を仲良く分け合ってて、持っていないものは仲間はずれで、あと、なぜか残ったひとつがヒッグス粒子、そんなお話ということのようである。