2021-01-26 移動に伴って滑らかに
ドーナツちゃんって動けるんだっけ? ということをもう少し具体的に考えてみる。
いったん、微小なちっちゃいちっちゃい三次元ドーナツちゃんのことは忘れて、もう一回二次元ドーナツちゃん、しかも人間くらいの大きさのものに立ち戻って考えてみる。
地球くらいの大きな二次元球に、東西に脚を伸ばす形でドーナツちゃんがそこにぶっ刺さっているとして、このドーナツちゃんが動くというのはどういうことだろうと考えてみるのである。
動くとか動かないとかを考えるときに、無闇にビュンビュンとドーナツちゃんを動かすと訳が分からなくなるので、とりあえずはドーナツちゃんのどこかにバッテンマークをマジックか何かで書いて、それがドーナツちゃんの動きに応じてどうなっちゃうかを考えてみよう。
このとき、ドーナツちゃんが動いても、地球みたいな二次元球や、ドーナツちゃん自体が切れたり割れたりしないように動かすことを考えるように気をつける。
さて、まずはドーナツちゃんが東に向かって動くことを考えてみる。
なのでドーナツちゃんの東の脚の、地球に接しているその部分の、真東の位置と真西の位置にマジックでバッテンマークを書いてみる。ドーナツちゃんは地球とひと続きになっているちょっとした迂回路みたいなものだから、それが東にじりじり動くということはそれまで地球の表面だったところの部分がドーナツちゃんの部分になり、逆にドーナツちゃんだった場所が地球の表面になるという感じで連続的に滑らかに入れ替わらないといけないことになる。
東の脚の真東のふもとに書いたバッテンマークは、ドーナツちゃんが東に動くとドーナツちゃんの外側の丸の部分に、巻き上げられるようにして移動することになるだろう。それはやがて西の脚の方をぐるりとして、西の脚の真西のふもとに到達し、その後はドーナツちゃんの進む方の反対側の地球の表面として置き去りになる。
さて、一方東の脚の真西のふもとのバッテンはジリジリとドーナツちゃんの内側の丸の間の地球表面を移動するようにし、て、やがて東に移動してきたドーナツちゃんの西の脚の真東のふもとにたどりつくだろう。さらにドーナツちゃんが東に移動すると、バッテンはドーナツちゃんの西の脚の内側の丸を上り、反対側の東の脚の真西側を下って元の東の脚の真西のふもとに戻るだろう。こう書くとあたかもドーナツちゃんの移動に伴って滑らかに地球の表面が場所を入れ替えているように読めるかもしれないが、実はそうではないのである。