2021-08-03 歪んだ窓ガラス越しに外の風景を見ている猫ちゃん
さて、強いチカラの話までしたわけだが、じゃあ問題の重力のチカラについてはどうなのか、と言う話になる。
これ以上、ドーナツちゃんには何かの相互作用を表現する自由度はないので、ドーナツちゃんプルプル宇宙論では重力について語れないと言うことになってしまうかに思われたが、しかしなんとそこ はループ量子重力パイセンという先駆者があるので大丈夫と言う話になるのであった。
要するに、ドーナツちゃんをループ量子重力に当てはめてその結論を流用すると、われわれ人類が空間として認識しているものはドーナツちゃんがプルプルしている生の空間そのものではなくて、ドーナツちゃんとドーナツちゃんをループ状につないだ経路、そこで積分できるなんらかの物理量の中の一つとして現れてくる面積とか体積というものから結果として観測される空間の方なのだ、ということになり、 重力というのは生の空間での現象ではなくて、ループからの観測結果としての空間における現象である、となるのである。
今まで見てきた電磁気のチカラとか、弱いチカラとか、強いチカラというのは生の空間での事象で、われわれ人類はそれらをループで生じたもう一つの空間の尺度でもって眺めているとか、そういうことなのだ(妄想)。
ほかの3つのチカラと重力の強さが格段に違いすぎるとか、重力は繰り込み出来なくてもにゃもにゃだとか、そういう話はこう考えると当然で、別の空間での事象を同じ理屈で取り扱おうという考え方自体にそもそも無理があったとかそういう話なのである。
もちろん、いまいまの人類の至宝たる素粒子の標準模型の基礎となっている場の量子論は、時空と重力を扱う一般相対性理論からの要請事項を考慮して組み上げられていて、それは実際の観測結果とかなりの精度で一致しているわけだが、その理由はわれわれが重力が生じている方の空間をつうじて、生の空間で起きていることを観測しているからなのだ。
例えるなら、歪んだ窓ガラス越しに外の風景を見ている猫ちゃんのようなものなのである。
重力の影響を受けているのは素粒子ではなく、観測している我々なのだ。そう考えると、時空の極限状態であるブラックホールだとか、宇宙開闢のビッグバンといった特異点な話もスッキリ辻褄が合うわけで、要するにビッグバンというのはドーナツちゃんのぶっ刺さっているお団子ちゃんが……(ピンポーン)
おや?……誰か来たようだ……確認してくるから少し待っていてくれ。戻ったらすぐ続きの話をしよう……かゆ………うま……
2021-08-03を最後にTwitterのFleet機能は廃止されたため「ドーナツちゃんプルプル宇宙論」の連載も終了しました(俗に言う打ち切り)。
ご愛読ありがとうございました。Muaccaセンセイの次回作にご期待ください(無いけど)。
なお、このお話はすべてフィクションであり、実在している各種学説とは無関係なので、名称は似ていても記載している内容についてはでたらめです。