2021-07-12 格子QCDシミュレーションでのノウハウ
さて、格子QCDシミュレーションについてなんとなくいい加減な理解のまま書き散らしてきていたわけだが、ここでなんとなくまとめておこうと思う。
格子QCDシミュレーションとは量子色力学での理論値を求めるためにコンピュータで計算する手法の一つで、本来は連続な時空をコンピュータでの計算がやり易いように格子状に区切るものである。
格子状に時空を区切ることで、積分は足し算になり微分は引き算になる、さらに時空に最小の単位ができるので紫外発散が起きないといった利点がある。
フェルミオンは格子の交点に、ボゾンは格子の各辺に配置して、求めたい計算対象についてそのとり得る全ての経路パターンについてフェルミオンやボゾンの関数の値を求め足し上げる感じのことをする。
ループ状の経路を設定すればゲージ不変になって観測できる物理量を求められる。
ただしこれらの格子状の時空というのはあくまでもコンピュータで計算するための便宜的なものであり、理論としては格子の間隔を無限小の極限に持っていった時に連続な時空の理論形式と一致しないといけないという縛りがある。
……と言った感じだろうか。
さてここまで格子QCDシミュレーションのことを色々と見てきたわけであるが、じゃあ我らがドーナツちゃんプルプル宇宙論について格子QCDシミュレーションの何を参考にできるんだろう、という話を考えてみたいところである。
格子QCDシミュレーションでは、時空は連続していることを前提として、計算の便宜のために格子状の時空を導入しているわけだが、ドーナツちゃんプルプル宇宙論は連続した時空を前提としてはいるものの、そこにドーナツちゃんという微細な構造のようなものが満ち満ちていて、ドーナツちゃんの構造を考慮した場合の時空は非連続な、最小単位のある何かになっているという仮説を持っているわけだ。
つまり、格子QCDシミュレーションでのノウハウは、連続極限を考えなくともドーナツちゃんプルプル宇宙論で使えたりしないだろうか、という気がしなくもない。どうだろうな。