2021-06-15 スピンネットワークとしての空間
ループパイセンではノードとリンクをループ状につないだ経路でスピンという計測量を定義できて、そのスピンの集まりがスピンネットワークとなっていて、面積とか体積もそうしたスピンの一種で、体積や面積が観測できるからわれわれはそこに空間がある、と認識するという話をした。
なかなかテツガク的な雰囲気だが、まあ、こうしてスピンネットワークとしての空間というものがループパイセンからは創出されるということで、重力もその話を前提にして考えることになる。
超ひも兄さんだと空間は始めからそこにあるので、重力を考える時は空間は連続なんだけどひもの長さより短い話は考えても仕方ないというアプローチで紫外発散を回避しているわけだが、ループパイセンはそもそも空間っちゅうのはスピンネットワークから創出されんねんからそんな紫外発散するような話はそもそも起きへんねん、すっごい近距離の話もノードとループの話に立ち戻ればなんちゅうことないんや、とかそんな話になっているわけだ。
あと、自然に空間そのものがスピンとして量子化されるので重力も自然に量子化されるというあたりもなかなか理論展開としては美しいわけである。
とはいえ、実はループパイセンはまだまだ発展途上ということらしく、重力を量子化することには成功しているのだが、そこから現実の観測結果を説明するというところまでは至っていないらしい。
例えば、ブラックホールのエントロピーの値は、超ひも兄さんだと理論値が出ていて、実験と合っているようなのだが、ループパイセンは「だいたいこんな感じになるはずー、具体的な値は分からんけんどー」みたいな話になっているようだ。
あと、ループパイセンは古典極限 (空間の最小単位が無限に小さくなったとしたらどうなるか)を考えたときに、相対性理論の話が再現できていないらしい。
さらに言うとループパイセン、重力については理論的に美しいのだが、そこから素粒子の標準模型とかをどうやればいいのかよく分からないらしい。
ループパイセンはあくまでも重力についての理論で、それ以外のことについては語っていないのだ。