2021-06-14 ぐるりと回って観測できる
ループパイセンはそもそも空間というものを区分けする その大きさに下限があるとしていると書いた。
しかし実はそれはちょっと違っていて、ほんとは空間とかそういう話の前に、ノードとかリンクとかがあるのだよ、というのがループパイセンの主張だったりする。
何を言っているか分かりにくいとは思うが、ループパイセンの話によると、空間というのは最初から入れ物のようにそこにあるのではなくて、ノードとリンクのつながりから発生する存在なのだという。
ノードは結晶における原子のようなもので、リンクというのはノードとノードを繋ぐ関係性みたいなものなわけだが、実はそれらが空間を埋め尽くしているというわけではなくて、まずはそのノード とリンクがあり、その有様から体積とか面積とかいう計測量が定義されるらしいのである。
体積とか面積が先にあり、そしてそれらを観測するわれわれとしてはそこに空間があるのだなあと認識するとか、そんな感じなんじゃないかと思わないではない。
もう少し順を追って書くと、ノードとノードを繋いでいるリンク、それらが無数に連なっているものをループパイセンはスピンネットワークと呼んでいるのだが、そのスピンネットワークで観測可能な量というのは、ぐるりとノードのつながりを辿って一周した、リング状の経路でしか存在しないらしいのだ。
ゲージ不変性とかいう話が関係しているらしいのだが、要するに迷路を歩くみたいにループを辿ってノードを渡った感じのイメージだとして、出発点からぐるりとその辺を巡った後にまた出発点に戻る、そういう経路で得られた値だけが我々に観測できるのだとかそういう話らしい。
そのぐるりと回って観測できる状態のものをスピンと言い、それがいっぱいあつまっているからスピンネットワークと呼ぶという順番である。
体積とか、面積というのはそうしたスピンとして得られるひとつの観測量という話らしいのだ。