~第2話~ はじめの一歩とはなんですか
転生してきた『ルタ・ラプレト』は教会からでてお決まりのチュートリアルを始めるべく動き出す。
第1章は、異世界のお決まり、酒場兼受付でのやりとりからはじめの一歩まで。
受付のお姉さんによると、このソブリン銀貨3枚でノーマルな宿には1泊1食付きで泊まれるらしい。
それと、冒険者への登録だが・・・断られてしまった。
そもそもな話し、いきなりこの世界にきた人間に何かを頼みたい人間などいないし、そんな斡旋をしていてはギルドの立場というものが弱くなるため出来ないらしい。
確かにそうである。
だが、それでは初手から詰んでいる。
受付のお姉さんが言うには、領主、もしくは各地区いずれかの商会長のお墨付きがあれば冒険者カードの発行ができるらしい。
それまではアルバイトをするか、パーティで狩りをしてドロップ品の売買をするのがセオリーと教えてもらった。
稼ぎによって野宿になることも少なくないとのことで、転生者が多い割にこの町は案外世知辛いようだ。
僕
「なにも能力は引き継いではいないが前世での経験を活かせば・・・まぁ、いけるだろう。」
僕は初期の剣一つの状態ではあるが初期の町から一歩外に出てみることにした。
門の辺りから見る景色では、街道は土ではあるが左右に腰ほどの柵があり意外と整備されている。
柵の外は草原になっていて、意外と見た感じはお決まりのパターンのようだ。
ぼーっと外を観察していると、荷馬車が一台後ろからやってきた。
荷馬車の男
「お、今日の転生者か?」
門のところで今から出ていこうとしている荷馬車の男が話を続ける。
荷馬車の男
「いいか、遠くに赤い旗が街道の左右に立ってるのが見えるだろう。あれを超えるのはもっとこの世界に慣れてからのほうがいい。もちろん違うが、あれは初心者冒険者の血で染まったなんて言われている。」
僕
「忠告ありがとう。しかし、ここは話だと東の始まりの町ではないのか?そんなに強いのがいるのか?」
荷馬車の男
「それは間違いではないが、何故かここに来る転生者はその『はじまりの町だから安全』とか言って転生式の日が来るたびに夕方には街道が赤く染まるのさ」
僕(なにそれ、怖いんだが)
荷馬車の男
「まぁ、そこの守衛もなんも言わんから被害が減らんのだけどな。と、言ってもしょうがないが」
ジロッと守衛を目を細めて横目で見ながら言うが守衛は気にも留めていないようだ。
荷馬車の男
「じゃあ、頑張りなー!」
僕
「ありがとう、いい旅を」
荷馬車が通り過ぎると、後ろのホロの中には護衛と思われる人間が3人ほど乗っていた。
パンなど日持ちしなそうなものを運んでいるところからして遠い輸送ではないだろうから、近場が危険というのはあながち脅しでもないようだ。
守衛を見てみたがやはり何の反応もない。
所謂、余計なことは言わないタイプらしい。
領主の紋章が皮鎧にあるので、余計なことを言うと領主の責任になるのだろう。
それはそれでなんとも頼りなく見えたが無理に関わる必要もないので一先ずギルドに戻ることにした。
話しはあまり進みませんがのんびりと厚みをもたせながら進めていきたいと思います。
1話あたりの長さも長すぎずにしていくつもりなので更新頻度を高めていけるように頑張ります。