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世界に誇る、日本の文化

同族嫌悪の賜物です


読後感は、とてつもなく不愉快に思う方と

とってもすっきりする方に別れるでしょう

修羅場を書いてみたかったのでやりました。

「最近さ、(たいら)こねーよな?」

「そういえば見ないね。」

「なんかしってる?」

「しらね。」

「知ってたら言うもんな。」

「知っている『とでも思っていたのか』」

「『カワイイ!』」

会話のオチをアニメの真似でごまかした後に、実感の伴わない笑いが引き潮のように引くと

部室にはパソコンのファンの音だけがこだました。

ここはある大学の電算機研究部

太った男、天然パーマの男、坊主頭の男が座っている、全員眼鏡をかけている。

娘三人集まればかしましいなどとよく言ったものだけれど

この年頃の男ならば二人集まっても姦しいのが現代というものだ

だというのに、誰も会話を切り出す者は無い

液晶に映し出されたデスクトップには、奇妙なまでに均整の取れた顔立ちの

眼の大きな女の子が笑顔でこちら側に手を振っている

押し黙る彼らと、凍りついた笑顔を浮かべる女の子はどこか似ているようで、決定的に違った。


「山本くん、あいつ最近、二輪部に居るってさ。」

坊主頭に眼鏡の胡散臭い男が、抑揚の無い声で言った

いや、抑揚の無い声になるように意識した声で、言った

「え?痛バイクでも作るんですか?」

太った男こと、山本はひょうきんな性格のようだ、さっきの会話を切り出したのも彼だ。

「知らない、だいぶあってないし、俺は他人に興味はない。」

「はぁ。」

坊主は、ずり落ちた眼鏡を直しながら、言った。

「まぁ、何処の集団に所属するかは個人の自由だし・・・それに・・・」


またそれか、おいおいあんた、個人の自由って意味解って言ってんのか?


「―それに、バイクに乗るぐらい頭悪い奴にここにいられてもな、今更レースでヒーローなんて、ガキじゃあるまいし。」

「そそ、事故って不祥事起こされても困るしね、そもそも何なんだよバイクとか、転けりゃ死ぬし、あんなマゾい物乗るってバカなの?死ぬの?」

天然パーマが鬼の首を取ったようにがなり立て、けらけらと笑う坊主の笑いBGMに、時計の針が5時を回った。

「じゃ、俺帰るわ、レポートあるし。」

「おう、おっつー」

「おつかれぇー」

レポートなど無い、そのかわりに山本の胸の中には今までにない量の澱が貯まっていた

ほんの一ヶ月前までオタク話に興じていた人間を、まさかあの連中がこんなにボロクソに言うなんて

山本はただただ腹が立ってしょうがなかった。

後ろ手でドアを閉めるうちに、眉間のしわが2本増えていた。




ふと気が付くと山本は自宅の、それもパソコンの前に座って、生えかけてきた顎ヒゲをいじっていた。

ディスプレイには何も表示されていない

「お。」

―いそいそと彼は電源ボタンに右手を差し伸べた

大学から帰ると、シャワーを浴びてパソコンの前に陣取る・・・

一年三百六十五日おきまりのコースだったはずが

目の前のパソコンには電源が入っていない、そして自分はというと

キーボードにも、マウスにも手を触れずに、ただ時間に流されるまま、座っている。

―右手が止まった。

「まてよ・・・」

指を、少しずつ電源ボタンから離した。

パソコンのことなど押しのけて

違和感とも焦燥感とも付かないものがみぞおちにたまってくる

まるで胸が泥水を漉す濾紙になったようだ。

焦っている、自分は、確かに焦っている

しかし何に対して?

いくら逡巡を重ねたところで答えが見つかろうはずもない

山本はいつか見た設問が白文のテストに頭を悩ませるという悪夢を思い出した。

彼はイスに座り直すと、辺りに目をやった

辺りといっても、深夜アニメのフィギュアやグッズのひしめく

六畳あるかないかの狭い部屋だが・・・

山本は、立った。

―違う。

違うのだ、部屋が昨日と違うような気がするのだ

違うような気がするだけで、昨日とはどこもちがっていないのだけれど

一目この部屋を見て山本の頭脳は、昨日とは、いやさっき部屋に入った時に得た物とは

違う感想を、計算結果としてはじき出しているのだ。

どこか懐かしいようで、何気なく幼く、儚さが身に染みいってくるような

詩文的に言えば、過去の情熱のかけらを見ているような、そんな気の遠くなるような感情だ。

「懐かしい」というのは、こういう事だろうか?


山本は、今一度イスに座ると、口の前で手を合わせ

夕日に浮かぶ美少女のフィギュアにため息をついた。

「・・・。」

次に山本はかがみ込むと、愛機の収まるケースに目をやった。

「インテル、コア2クアッド・・・。」

なぜか、とてつもない無駄な散財をした気がしてきた

ついさっきまではあんなに輝いて、誇らしく思えていたのに、既にこのパソコンは

懐かしさの住人になってしまっているではないか。

彼はまた、イスを回して、部屋の中を顧みる。

秋葉原のキーボード屋で大枚はたいた名機との誉れ高いキーボード、イベント限定発売の同人誌(フィギュア付き)

アニメのポスターにフィギュア、壁を埋め尽くす、漫画、漫画、漫画、プレミアのついた初版本など薄紙で包装してある。

「・・・なんだ、このガラクタは。」

山本は自分の声に、自ら息をのんだ。

さっきまではあんなに輝き、自分の人生に潤いを与えてくれていたはずの「日本が世界に誇る文化」の象徴たち。

しかし、この小さな部屋の小さな夕闇に紛れつつあるそれらは、本当にそんなすばらしい物を自分に与えてくれたのだろうか?

そして、自分は、これらの物から何かを生み出したのか?あるいは、何かを得たのか?

結局・・・。

いつも引き返す、思考の曲がり角に到達して、山本は考えるのをやめた。

それを言ってしまってはおしまいだ、何もない自分が唯一アイデンティティを主張できる

この目の前に広がる世界にすらケチが付いてしまっては、困る。


でも、変わらなきゃいけない、いつかはこんな幼稚なオタクごっこからは抜け出さなきゃならない

それは、解っているはずだったのに。


瀟洒な棚に、神経質な几帳面さで陳列されたそれらと

散らばってうずたかく積み上げられている衣類のギャップが胸の奥を金タワシで擦ってゆく。

切磋することなく他を出し抜こうとする、利得心と排他的な超越感を満足させようとするエゴの現れ、万能感の偶像。

俺はこんなに珍しい物を持っているんだ、お前のような常人とは違うんだ。

・・・こういう部屋に住む奴は、自己愛性人格障害の気があるんだったっけな。


山本は中腰のまま固唾を飲むと、頭を左右に振った。


「疲れてるのかな?」

そうだ、どうかしている。

平が二輪部に入っていると聞いて、ショックを受けたのだろう

パーマや坊主が言うとおりだ、今更レースに出てヒーローも無いだろう。

こんなどうしようもないオレたちに、そんな事が出来るはずないんだから・・・。


平は、部活では一番元気のある奴だった、3年で部長である坊主を差し置いて

率先してあらゆるイベントを主催し切り盛りした

対する山本を含め部員達はそれについて行くだけ

ついて行くだけならばまだしも、イベントの事前会議となると、パーマが平の揚げ足をとり続ける始末で

イベントの核心には一切触れられずに、会議が終わることもザラだった、それでも平はニヤニヤとしながら

電算機部を未曾有の超アクティブな集団へと変貌させた、全て、平が切り盛りしていたような物なのだ。


そのとき、自分が何をしていたのかといえば「傍観者」の役柄を気取っていた。

設問には全てYesで答える、しかしどこかつかみ所の解らないちょっとした存在、そんな役をロールプレイングしていたのだ。

腕を組んで壁に寄っかかって短い足を交差させる、これがいつものスタイル。


―果たして、あの部室以外で、俺はあんな風に気取った事を出来るのだろうか?


その思った瞬間、山本の胸のけだるさは最高潮に達した。

「まったく、何が世界に誇る日本の文化だ、タダのエロ本じゃねえか。」

彼の独り言を聞くのは足下に落ちていた一冊の冊子。

『これからはオタクの時代だ!』

鼻にもかからない笑いがのどから沸いて来た、その理由は解らないが、解る時はそう遠くない気がした。



彼は立つと、部屋を出て階段を下った。

「母さん?」

母の恭子はまだ帰っていないようだ、恭子は保育園でパートをしている、帰りは比較的遅い。

腹が減ってきてしまった、暗くなりつつある

財布に若干の余裕があることを思い出した彼は、そのまま玄関へと歩を進める

「・・・。」

玄関にはナイキのエアフォースと、聞いたことの無いメーカーのハイテクシューズがある

しかしおしゃれに疎い彼にとっては、エアフォースさえ大きな冒険だったのだ。

「どっちを履く? →エアフォース ハイテクシューズ・・・『どちらも同じだ。』」

一人芝居が、むなしく一軒家に響いた。


〜〜

商店街は丘を下る道に沿っている、そのまま降りきると駅だ

ハイテクシューズとローファーを片方ずつ履いた彼は、奇妙な足音を立てながら坂を下った

「・・・二輪部か。」

彼は、バイク部に行ってしまったという平から聞いた「男の3B」という奇妙な価値観の話を思い出した。

Baka Bike Band、この3つのB、これが男の構成要素だというのだ。

『―お前らよぉ、パソコンにゲームもいいけど、ちったぁ外に出て遊べよ、この部の中だけじゃ世間狭くなるぜ?』

「なるほど、それか。」

彼は手を打った、平が電算機部から姿を消した意味がやっとわかった。


後ろから車が走ってくる音がするので、彼は左によけた、バイクのようだ。

「ずいぶんとタイミングがいいじゃないか・・・HIDだな?」

独り言に答えてくれる者はいない、キセノンライトの白い光が彼の横をすり抜けた。

スーパースポーツだ、彼にはそれしかわからなかった。


「すみません、コロッケ2つとハムカツ2つ。」

「はい、コロッケ2つとハムカツ2つね、今新しいの揚げるから3分ぐらい待っててね」

初老のやさしげな女性が、真っ白なコロッケとハムカツを油に投入した、思わず唾液がにじみ出てくる

「なんでこの店はお客がないんだろうね、こんなに旨いのに。」

「ありがとうね、でも、やっぱりスーパーのほうが安いからかしらね、お客さん、減るばっかり。」

「がんばってくださいよ、僕ぁここのハムカツが大好きなんだ。」



おまけだと店主がくれた3つめのハムカツを食べながら、彼は坂を上っていた。

「このまま家に帰るのか、母さん、帰ってるかな。」

早くも空は一面の星空、眼下には私鉄の列車がレールを上に光る帯のように走っているのが見える。

そういえば、この景色を見たのはいつぶりだろう、毎日ここを歩いていたはずなのにこの景色は新鮮で、魅力的だった。



「コア2クアッドQ9550、2万5千円、ジーフォース9800GTS、1万円、P5シリーズ、6千円、メモリ、タダ・・・。」

夕食を終え、寝入りばな。

彼は、液晶のバックライトで顔を白くしながらその値段を読み上げた、なんてガラクタだ!

先月、秋葉でこのパソコンを組んだ時に使った金は10万を下らない

だというのに、俺はこれを使って何をした?ナニしかしていないじゃないか。

俺はなんの目的もなく、こんなクズに10万円もかけたのか。

彼はガラクタの電源を落とすと、布団へ潜り込んだ。


〜〜


「山本くん、どうする?」

「はあ。」

われに返った彼の前には、今日も無表情な眼鏡の坊主頭があった

パソコンの冷却ファンの音が、間を埋めてくれていた。

「すいません、聞いてませんでした。」

「だから、このパソコンのメモリを2GBに増設するかどうか。」

してどーすんだ。

「・・・いいんじゃないすか?」

「よし、決てぇーい、ぱちぱちぱち」

拍手を口で再現する彼は、やはり無表情だった。

山本はため息をついた。

こいつ、何のために生きてるのかな。

違法ダウンロードした深夜アニメ鑑賞か、せいぜいエロゲをやるのが関の山のパソコンに2GB積んで、いったいどうするんだろう。

そもそも、ここでエロゲをやらなきゃいけない理由は?


山本は、昨日の自分では絶対に思いつかなかったであろう、あるいは、あえて無視していたであろう内なる問いかけにとまどった。



「それで、何で俺が買いに行かなきゃならないんだ。」

彼はまたあの坂を下っていた。

商店街の中に、全国にチェーン展開している自作パソコンパーツショップがある

商店街に一番近いところに住んでいる彼が、増設メモリの調達を任されたというわけだ。

あのガラクタパソコンも、この店でそろえれば電車代分浮いただろうに。

「おや?」

また、彼の後ろからあの白い光が迫ってきた、この前とは違い、ゆっくりと近づいてくる。

「山本」

「なんだ平だったのか。」

「どこ行くんだ?」

「お前こそ。」

「俺は帰ってきたところだ、山向こうにサーキットを部で借りてるんだ。」

見ると、この前に比べてバイクが少し汚れている、カウルに大きな穴が開いている。

「どうしたんだ、これ。」

「これか?転けたんだ・・・、乗れよ、商店街で買い物だろ?」

「ああ。」

「メットあるから、ほら。」


〜〜

PCパーツショップ、AXパラダイス、二人は店内でメモリの値段のプラカードを見上げていた。

「メモリ安くなったな、俺のにも積むか。」

平はメモリ選びをしていた山本を押しのけて、2ギガバイト分メモリを買った

「昔は2GBメモリを積むとなると、清水の舞台から飛び降りる決心だったもんだよな。」

「安くなったよな、お前、何買うんだよ?」

「俺もメモリ、部室のパソコンにも2GB積むんだ。」

「けったいなこったねえ、積んでどうするんだよ。」

平は笑った、対して山本はその通りだと思ったが口をつぐんだ。

「お前こそ」

「最近、CS3を貰ってな、512MBじゃ重くて仕方ねえんだ。」

「お前、絵描くの?」

「まあな、メインはバイクの絵だけど、漫画を描いたりもする。」

「いいな、絵ぇ描ける奴は。」

「見て描きゃいいんだよ、画家じゃねえんだから、自分のイメージだけで描けるようになったら金が取れる。」

「はぁ、そういうもんかね、才能だろ。」

「お前、本当に絵を描きたいのか?」

「ああ。」

「そりゃウソだな、描きたきゃ練習してるもん、お前は描けるって事に憧れてるだけさ。」

「俺だって練習したぜ?でもよぉ?」

「描けるまで練習しなきゃ練習じゃねえって、それが苦痛なら、お前は絵を描きたくないって事さ。」

それで、パソコンでいかがわしいゲームやアニメを消費する存在に成り下がったのか、山本はため息をついた。

それよりも山本が驚いたのは平の受け答えの合理性だった、それでいて的を得ている。

これが言いすぎだとすれば少なくとも納得は出来たという所だろうか。

つまり、合理性を求めた結果ではなく、アクティブに行動し

何か結果を残そうと行動した末にたどり着いた理論であろう事は山本にもよく解った。


高性能なパソコンに無駄を感じ、急に生彩を失ったコレクションたち

肥大化しすぎた所有というステータスを疎ましく感じるそのヒントが、バイクに乗ってやってきたようにすら思えた。

「やっぱ今日はよそう」

「なに?」

「あのパソコンにメモリ積んでも無駄だ。」

「CPUから変えるのか?」

「答え」は出ていた。

「いや。」

変わらなきゃいけないのは使う奴だ。

山本には、その一言を言うだけの立場がなかった。


〜〜

山本は部室に入るなり、5000円札を机の上に置いた。

天然パーマはいない、坊主頭だけだ。

「メモリ買ってこなかったの?」

「ええ。」

坊主頭が顔をしかめた、そこへ山本と同じように授業を終えたパーマが入ってきた。

「なんで?」「どうしたんですかぁ?」

「山本くん、メモリ買ってこなかったんだって」「マジですか、そりゃないよぉー」

山本はため息をついた、ストレスが通常の三倍の速度で溜まりつつある。

しゃべり方からしてもうストレスが溜まってくるのだ、当人等曰く他人を傷付けないように喋っているらしいが

だったらこの間、平をボロクソにけなした件はどう説明するつもりなんだろうか?

詰まるところ他人と面と向かって会話するのが苦手なだけだ、常に相手にびくびくしているのだ、虐められていたあの日のように。

「このパソコンにメモリ積んで何するんですか?」

「起動早くなるんでしょ?」「メモリ暴落おいしいです」

こいつら、なんで二人一組で喋るんだろう、まるで違和感の固まりだ。

山本は小さく咳をした。

平というアウトサイダーの視点に立っただけで、ここまで違和感を覚えるものなんだろうか

何か悪いまじないでもかけられたような気分になると、山本は言った。

「そりゃ早くなりますけど、だからって今で十分じゃないですか?」

その時、窓の下からバイクを始動する音が聞こえてきた。

「うるせ〜」

坊主頭が場に合わないのんきな声で窓を閉めにいった、彼は声優志望だといって就職活動もしていないが、まずムリだろうな、山本は思った。

「・・・なので、このお金は戻しておきます、外の、何ですか?」

「ん〜、壮行会?バイク部レースに出るのかな?よくやるよ。」

ピシャッと音を立てて窓が閉められた、二重窓のため、空調の音しか聞こえなくなる。

山本はなぜかそこで、パトレイバー劇場版第2作目の、警備部の会議の場面を思い出した。

「そうですか。」

「ああ。」

「平、出るんですかね?」

「さあ、あいつ前からバイク乗ってたの?」

「そんなことは聞きましたけど、どの程度かは知らないです。」「平は前から乗ってたってよ」

パーマが答えた、すると坊主は、ポケットから小さな冊子を取り出すと

さも「そんなことに興味はない」と言わんばかりにそれを開いた、ライトノベルだ。

きっと彼の誇りの一つなんだろう、そう「誇るべき日本の文化」を消費するという、チンケな誇りだ。

「バイクねえ、ま、ガキの遊びにゃかわりないな。」

まだ本番のないエロ本読んでるオメーよりゃマシだろうがよ。

その一言がのど元まで出かかっていた。

「はぁ、そうなんすかね?」

「そりゃそうだろ、同じ所ぐるぐる回って速いだ遅いだいって、何になるのかねえ?」

「・・・。」

「転んだら死ぬんだぜ?だったらオレたちみたいにインドアで、世界に誇れる文化に浴してるほうが生物として賢いと思うんだが。」

「・・・何が、何が生物として賢いんだ?」

「え?」

二日前、夕暮れの自分の部屋で感じたあの感覚。

その答えが出るのは遠い話ではないと感じだ、どうやら、それが今だったようだ。

「だったらオレたちは何だ、勝ち負けからずっと逃げてきただけじゃねえか。」

「勝ち負けって、このご時世・・・」

「このご時世もクソもあるか!女もいない、頭がいいわけでもない、完全にオレたちの負けだろうが、オレたちの!

そのくせ口だけはやたらでけえ、世界に誇る日本の文化だ?笑わせんじゃねえよ!」

山本は、うずたかく積み上げられたエロゲーの山をなぎ倒した、部屋が一気にピンク色になる。

「・・・。」

普段無表情を装っている坊主の目が、点になっている。

いつも気に入らなかったのだ、この目が、何も出来ないだけくせに

全てから逃げを決め込んで、何も「行わない」演技をして張りぼての万能感のぬるま湯に浸りきったこの目が。

「さすがに何にも言わねえなあ、バカに刃向かうのも生物的に劣ってるってぇご高説が聞けるかと思ったのによ!」

「・・・。」

「だんまりかよ、情けねえな。」

こんなに身振り手振りを混ぜて喋ったのは、中学生の時にクラスの女子をデートに誘ったとき以来だ。

山本は思い出した。

そうだ、中学の頃にもこんな奴らが居た、寄り集まっては「結婚は人生の墓場」だの「女は無能」だのと姦しい連中だった

そのくせファイルはエヴァの綾波だったっけ、うちはキャラ物禁止令が出てたけど

生活指導の奴に見つかったら、やはり文化がどうの哲学がどうのと言っていた気がする。

なるほど、頭の悪い奴ほど口はでけえってわけだ。

『これからはオタクの時代』

なるほどね、そう思わなきゃ生きて行けんワケだ。

「俺ぁね、お前らがここで、テメェが心底惚れ込んだことに打ち込んでるんだと思ってたよ、本物の趣味人だから惚れ込んでアニメ見たりしてるんだと思ったんだ

だけどな、今解ったがお前らは断じてそうじゃねえ、お前らは人の趣味に価値を付けた、つまり値踏みして行動してるんだろ?ずいぶんと利口なやり方だな。

そりゃ確かにアニメは他の国から見てもすげぇ物かもしれねえよ、でもな、お前らは別にアニメを選び取った訳じゃねえ

お前らがありとあらゆる物から逃げ込んできた場所に、たまたまアニメと漫画とゲームがあっただけだ。」

「あの、それは。」

「まだ話は終わっちゃいねぇんだよ!」

「・・・。」「・・・。」

「俺も含めて、オレたちは常に日陰者だった、小、中、高、どれを取ってもだ!気づいちゃ居ねえだろうが、お前らがアニメがどうのと言ってるのはな

その意趣返しにしか過ぎねえんだよ、オレが正しかった、オレが世界に認められてるんだってな、でもお前らがアニメに出来る事って何だ、答えてみろ」

「・・・。」

「『買う』それだけだ!所有するだけだ、お前らは自分から何も生み出すことが出来ない、頭は悪いし固い、舌は回らね

その上ルックスも最悪だ、そりゃスクールカーストの最下層止まりってのも頷けるだろ?そのくせそれを克服しようともしねえ、他人の所為にしっぱなしで愚痴だけは一人前

浮き世の価値にゃ縛られねえようなツラしやがって、挙げ句の果てにはお前らのズリネタが毛唐共に持て囃されたって聞きつけて文化人気取りたぁ笑わせるね

こんな頭の悪い生き物が今まで無事に生きてられただけでも幸せだと思うのが筋ってもんだ、アホ。」

目の前の坊主はとても面白い表情をしている、確実に山本に怯えているし、同時に怒りを覚えている

しかしそのやり場は山本だけではないのだ、全てを他人の所為にしてきた彼にとって、自分は常に陰なる実力者であって

人気がないのではなく、目立たぬように行動していたのであって、虐められていたのではなく、いじめっ子をいなしていたのだ。

その唇が、震えながら、開いた。

「・・・それは、個人の、自由・・・でしょ。」


山本は微笑んだ。

こいつらは、救いようがない。

そういうわけで彼は一身上の理由から、少し予定を早めることにした。

「救いようねえなお前らはホントーに、まあいい、もうどうでもいい、俺は平みたいに慈悲深くないしマメでもない、あんたらはその2GBのパソコンで

せいぜい世界に誇れると思ってる日本の文化でも堪能してりゃいいんだ、なんだこんなもん、AVと一緒じゃねえか!

お前らが何の"ソース"も無く妄信してる「海外で大人気」なんて噂はな、お前らと、海外のお前らみたいな奴の間でしか通用しねえんだ

傷の舐め合いも、こうも規模がデカくなるとなんだか仰々しくなってくるから困ったもんだ。

あー、つまり、性欲と趣味の区別も付かねえ馬鹿に生物的な優劣なんぞ語られてたまるか。退部だ退部、辞める、おらやーめた!内藤ォ!」

「・・・なに?」

呆然とするあるアスキーアートのような顔をして聞いていたパーマが、はたと気がついて、つとめてダルそうな声で返事をした

山本には動揺を隠しているのが手に取るように解る、どうしてしまったんだろう、まるで住む世界が違うかのようだ。

どうせ、何で自分がいつも悶々とした生活を送る羽目になっているのかすら解らないんだろう

しかし、それにしても何処で覚えてきたのか見事なほどにさもさも迷惑といった表情である

山本は微笑んだ、かわいいかわいい、こういうガキがいるから日本はダメになるんだろうな、と。

「好きでもねえアニメ見てマスかくのに嫌気がさしても、もう遅えぞ、来年俺たちゃ20だ。」

「・・・だから?そんなこと言っても人それぞれ」

鼻息がパーマの言葉をかき消した。

「黙れ」

「え?」

「黙れってんだよ、この負け犬!」




〜〜

モニタのバックライトで顔を白くしながら、山本はつぶやいた。

「マジカルりりかのフィギュア、すげえ、3万円だって・・・、初版は6万以上?初版との見分け方は・・・、パンツの中、初版は34体限定。」

山本は立つと、りりかのフィギュアのパンツをはいだ、今回は下心なしだ。

「シリアルナンバー、000034、マジかよ、ウソだろ・・・?」

リリカを布団の上に投げ捨てると、山本は携帯電話をひっつかんだ。

「ええと、たいら、た・・・た、これだ。」

〜おかけになった電話番号は。

しまった、あいつ携帯変えたんだった、自宅の番号に電話するか、いるかな?

「・・・もひもひ。」

しめた!

「たいらか!」

「ああそうだよ、オメェ誰だ。」

「山本だよ、今ヒマか?」

「ちょうど彼女が帰ったところだ、どうした?」

「今すぐ来てくれ、バイクでだ、俺の家わかるだろ?お袋のカレーライスの借りを返す日が来たぞ?」

「なんのこっちゃ、まあいいや、メット持って行くから待ってろ。」


この家の前の道路からは、麓の街がよく見える、落ちかけた夜の帳に家々の光がなんと饒舌なことだろうか・・・。

そんな静寂を切り裂いて、黄色のバイクが登場した、山本は駆け寄る。

「わりいな。」

「どうしたんだよいきなり。」

山本の傍らには、彼の胴ほどもふくらんだボストンバッグがたたずんでいた、さながら土俵入りの太刀持ちである。

「悪いけどな、今すぐ秋葉まで飛んでくれ。」

「はぁ?」

「いいから、思い出せ、スイカブックスは夜八時まで!」

「なるほど・・・乗れ!」


〜〜

「ナニぃ?売りに来たって!?お前借金でも作ったのか?」

趣都と誉れ高い秋葉原、もとは電気街だったが、いつの間にか巨大なエロ本とエロ人形売り場になっていた。

「聞くな、いいから待っててくれ。」

「待て」

「止めるな」

「違う、そうじゃなくて、だったらもっといい方法がある。」


そう言って連れてこられたのが、中央通り駅側の、鉛筆のようなビルの頂上

厚いドアにボロボロのガリ版刷りで、十数年前のアニメのヒロインが「特殊図書、ありマス!」と元気に宣言している。

「おい・・・。」

「いいからいいから。」

平はドアを叩いた、ややあって、ドアが薄く開く。

「番号。」

「21!他1名」

「どうぞ。」

「おいおいマジかよ、なんだこりゃ。」

「紳士の社交場さ。」

ドアが開かれると、その隙間からはビルの外観やこの町のオタクショップとは全く違う、恐ろしく重厚長大な雰囲気が漏れだしてきた。

マホガニーの棚、イス、テーブルに至っては黒檀だ、まるで戦隊物の悪の結社に殴り込んでしまった脇役のような気分だ。

あっけにとられた山本がドアを開け放って突っ立っていると、頭にかぶせる形で、物語の中に出てくる海賊のようなバンダナを巻いた革ジャンの男に声をかけられた。

「あ、早く閉めて、ハバナの葉巻の香りが逃げちゃう。」

「は、はい。」

声が裏返ってしまった、いったい何なんだここは。

山本はただ途方に暮れた、なんなんだこの場所は、中にいる人間まで秋葉原からかけ離れている。

真っ黒なスーツがよく似合う背の高い外人、サングラスをかけたモヒカン、コスプレ喫茶かと見まごう光景だ

壁にエロゲーのポスターはない、そのかわりマーヴェルのフィギュア達が所狭しとひしめき合っている、これはどこかで見た

そうだ、下北沢のバレッジビンガードだ。


そうこうしているうちに、平と山本は、バーカウンターの奥へと案内された。


〜〜

「おい、俺のカバン取られちゃったけど。」

「いいから、見てろって。」

海賊(勝手にそう命名した)が、豪華客船から盗った獲物のように山本のカバンを持ち上げると

外見とは裏腹に、丁寧にそれを黒檀の机の上に置いた、ジッパーが開かれ、箱が取り出される。


「おお。」

場がざわめき立った、馬鹿な、この場所にはそぐわない程にキャッチーでピンク色のフィギュアだぞ?

山本は息をのんだ、海賊に殴られ、コレクション共々店の外に放り出されるビジョンが浮かんだ。


「初版だ!」

「初版。」

「It's first!!...holy...shit」

口々に感想を述べるのもそこそこに、人々は集まってくる、無垢な子供のような眼をして。

「よお平、こいつらなんか変じゃないか?」

「こいつらを変にする物持ってきたのはお前だぞ?」

「そうだけどよ・・・。」


海賊が物々しくその顔の横にりりかのフィギュアをさしあげる。

「・・・これは、りりかの、初版エンドナンバー、どうする?」

「8万で始めよう」

髪をガチガチに固めた、甲本ヒロトのような男が言った、山本はこいつをブルーハーツと呼ぶことにした。

「他には。」

海賊があたりを見回す。

「10まで出す。」

「・・・12。」

「16。」

「18」


「おいちょっと待ったァ!」

山本はりりかの前に躍り出た。

「あんたらどうかしてるぜ?ただのフィギュアだぞ!?」

海賊がすぐに首根っこをつかむ。

「戻れ。」

「でも。」

「いいから、悪いようにはしねえよ。」

「・・・はぁ。」


出品者自ら競りに水を差したにもかかわらず、その後も値段は鰻登りを続け、結局りりかは20万で落札

そのほか渥美清の等身大ポップは8万、同人ゲームのオフィシャル抱き枕は6万、20年前廃止された寝台列車のプレート2万、等々


「あ・・・ああ。」

「ごじゅういち、ごじゅうに、ごじゅうさん・・・、とんで500円、これはホスト代とドリンク代としていただき。」

「た、たいら。」

「どうした、高く売れて幸せだろ?」

「高すぎる。」

「これが適正値だ、個人売買ってのはこういうことよ、チェーンのショップに売るのはアホ。」

そこに海賊が割って入って来た。

「そうよ、奴らてめぇの事を情報強者だの何だの言っちゃいるが、横のつながりってのはネットでシコシコ自演入札するより強いってワケよ」

「よかったな山本、んで、その金どうするんだ。」

「AKIRAのセルでも買うのか?」

「あれまだ残ってたの!?」

「ああ、恐ろしくって手を出せねえらしい、50マン、そこのお兄さんどうよ、えーと?」

ゴクリ、山本の食指が動いた、いや、いけない。

「ブロリー・・・、です。」

「ああ・・・ああ、あっはっは、ブロリーね、はい、会員番号99、本当はなんてーの?」

「山本です、あの、あなたは?」

「俺?ハルモト。」

「この店は・・・?」

「ああこれ・・・、はい飲み物、平に乗っけて貰ってきてるんでしょ、祝杯サービス。」

目の前にマティーニが置かれた、山本は酒に強い方ではないが、一気に飲み干す。

「この店は10年前に開いたんだ」

すると90年代後半、ちょうど秋葉にエロ本を求める奴らが集まりだした頃だ。

「すると、ああいう店と差別化を図りたくって?」

山本は窓の外を指さした、大手チェーンのまんじゅしゃげが店を閉めている。

「いいや、そんなのじゃねえよ、ただ・・・。」

「ただ?」

「あまりにもこう、アニメだけなんでね、ああいうのは。」

「はぁ。」

「つまりだ、ありとあらゆる物をミックスした文化が体感できる店を作りたかったわけ、キミの持ってきたちんぷんかんぷんな物にもまんべんなく高値が付いたろ?」

「はぁ。」

「そういうことだよ、ここにはありとあらゆる趣味人が集まる、平みたいなバイク乗りから、そこの外人みたいなジャパニメーション狂い」

海賊改めハルモトに指さされて、黒スーツの外人はウェリントンのめがねを下げ、手にしているスコッチのグラスを振った、机の上にはりりかが微笑んでいる。

「そこにキミみたいな、典型的なコが飛び込んできたってワケ」

山本は少し眉をしかめた、確かにオタクの典型ではあるかもしれないが。

「気を悪くするなよ、すくなくともうちはチェーン店みたいな阿漕な商売はしねえしな。」

「はぁ。」

「それよりも、今度はこっちが聞かせて貰う番だ。」

・・・何を?

ハルモトはグラスを出すと、なぜかアクエリアスを注ぎ、一息に飲み干した。

「・・・ああ、俺この間の検査で肝臓引っかかったんだ、だから、それより。」

「はい。」

「何でお前、アレを売る気になった、そしてどうしてアレを一端手元に置こうと思ったんだ?平と同級生って事はアレを買った頃はまだ高校生とか、その辺だろ?結構な苦労をしたんじゃないか?」

「はあ、いや、なんて言えばいいのかな」

山本は思い浮かべた、高校一年生の夏休み、友達からの誘いも断ってバイトに明け暮れて鉄道グッズを買ったこと

二年生では映画のグッズ、三年生はアニメ、りりかのフィギュアは大阪まで行って手に入れた

そして大学一年生、平に電話をしてここまで乗り付け、それらを全てうっぱらった。

「・・・なんでですかね、なんとなくですかね。」

「俺に聞かれても困るな、ただ助言はできる。」

「はあ。」

「飽きたんだ。」

「・・・いや。」

「お前は飽きたんだよ、今までの自分にな。」

「・・・。」

「それか、何か別の物が見つかったか。」

別の物?

「ただ一つだけ忠告しておくぜ?アレを売り払ったところで、山本って自分は変わらないんだ。」

「・・・。」

果たして初対面の人間に、ここまでつっこんだ話をするだろうか、さっきのマティーニが効きすぎて、これは夢の中なのかもしれない。

「だから、今お前が手に握りしめてる金は、今までの自分だ、そしてお前はそれをステップにして、次へ・・・、おい?」

「はぁ?」

「酔っぱらってるのか?」

「ちょっと強すぎたかもしれません。」

「ほら、これ飲んで」

なみなみとつがれたアクエリアス、やはりこれも一息に飲み干す。

「そんなにがっつくなよ、もう一杯やるから。」

「・・・スンマセン、ありがとうございます。」

「そうだな・・・、趣味ってのはこのグラスの中の飲み物と一緒」

「はい。」

「短期的な情熱ってのはいつか終わりが来る、ただ、それをじっくり味わって飲むか、そうやって一気に飲み干すか」

ハルモトは中指のどくろのリングを、いとおしそうになでた。

「死ぬまで飲み干さないか、その違いだ、そして今の街は、まるで一気飲みするガキだらけだ、俺からの答えはこんな感じだ、かっこよすぎたかな?」

「俺に聞かないでくださいよ。」

「ハハッ!そうだな。」


〜〜

ヘルメットを通り抜ける夜風が、酔い覚ましにちょうどいい、結局1万円分飲んでしまった、残りは52万円。

『平。』

インカムの通話ボタンを押して話しかけると、平はすぐに答えた。

『なんだ、またゲロか?ヒトのメットなんだからちったぁ遠慮しろよな』

『そうじゃねえ、これ、いくらだ?』

『何が?バイク?』

『そうだ、バイクだ。』

『・・・おいおいマジかよ、停まるぜ?』

『いいよ。』


平は、路肩にバイクを止めると、ヘルメットを脱いだ、山本もそれに習う。

「いくらすんだ?」

「100万ちょい」

「なんだ、ムリじゃん。」

「俺は大型持ってるからな。」

「なんて言うのこれ。」

「ヤマハの6R、YZF-6R」

「600ccか、ムリだ、あー、いつまでもダメオタクだ俺は!」

「ただ、太刀打ちできるマシンはある、250ccの2ストを買え、あと中免、これは合宿で6万ちょいで取れる。」

「いきなりそんなもん乗って大丈夫なのかよ。」

「問題ねえよ、俺の知り合いにそんなのザラにいらぁ。」

「そうかそうか・・・、なら今度こそ、チビチビやるぜ。」

「はぁ?」

「一気飲みはしない、夢に向かって。」

「マスターの哲学か、お前相当酔ってるな」

「かもしれねえ、だけど、なんかいい気分だぜ。」



恒例のバイクオチです、書いてて思ったんですけど

自分自身の中でバイクという物が

まだマイブーム以上の物になってないんでしょうね

後半はそんな自分への戒めのつもりで書いたはずだったんですが

良くもない頭で小手先をこねくり回してもどうにもならなさそうなので

言いたいことをストレートに言わせたり、なるべくストレートなシチュエーションにしてみました。

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