スキルと小休止
思わず二度見
「す、ステータス...」
名前:
種族:人族
スキル:概念付与・神具変異・心の障壁・極小神域
称号:神宿す者・契約を待つ者・神域に耐えし者
「一個とかじゃないのか...」
「凄いですね!此処に来た人で最初からスキルがあった人はいないみたいですよ!」
「え?はぁ...え!なんでわかるの?!」
「そりゃあ私付喪神ですし、貴方のスキルにあるじゃないですか?」
いや、え?
「ステータス」
名前:
種族:人族
スキル:概念付与・神具変異・心の障壁・極小神域
称号:神宿す者・契約を待つ者・神域に耐えし者
「スキル詳細」
しーん...
「あ~別言わなくてもステータスは見れるみたいですよ~」
「嘘やん...てかスキル見えない...」
「私には見えるのですが?」
「ええ!なんでだよ...」
おれのスキルを俺が認識できない?
どういう事?
「なんで見えるのかも含めてスキル説明お願い...」
判る人に丸投げしようそうしよう。
「え~とですねー[概念付与]は、道具とか、形とか、逆に[かたちのないもの]を付与、与える能力ですね~言霊みたいなもの?」
「なんでそんな抽象的な説明なの?」
「明確な定義があるスキルじゃない、のですかね?感覚で分かるというか...」
へぇ、よくある[鑑定]みたいなことではないんだ?
「感覚か、色を説明しろって言ってる様な事なのかな?」
「そですね、ごめんなさい。」
シュンとさせてしまった。
「いや、全然大丈夫だから!ね!」
落ち込まれるとなんだか焦る。
そりゃあ抽象的にもなるか。
うーん、あ、そうだ。
「足場って考えたら足場ができたのもそゆこと?」
「あ!そうです!そんな感覚です!」
概念を実現するってチート過ぎやしないか...自重しよう...
「見えるのはなんで?」
俺には見えないのに~
「それは次の[神具変異]のスキルですね、私は付喪神なので、神ですし、道具なのですよ!で、それが変異するのですが、条件があって。」
ん、大事な所だ。
「[貴方が今まで持っていた道具の形や効果に変われる]です!この後でも手に入れた者なら私が憑けば使えるかもですけど、例えば。」
そう言って彼女が一呼吸置く。
「うお!」
「こんな風にお紅茶を出す事もできます!」
手品か、手の平から紅茶の入った見慣れた黒いコップが出てきた。
「飲んでみてください!」
「ああ、うん。」
うん、よく飲んだ安いティーバッグの紅茶の味だ、気が休まる。
「あれ?俺疲れてた?」
「いつも気づかないんですから、紅茶には[気分を変える、リラックスする、体を暖める]みたいな概念をもっているでしょ?」
「え?ああ、自分の持ってる概念でいいの?」
それは衝撃的だぞ!
「一つと決まった概念ではないようですね、概念の概念が違う!謎謎ですね!」
いや、謎謎ですね!じゃないよ、そこ曖昧にされると使い方分からないじゃないか。
「それより!疲れているでしょう?もう今日は寝たらどうです?」
「ええ、まだそんなに時間は」
「23時に起きたでしょう?今は20時ですよ。」
へ?
「ちょっと時計...あ、無いや。」
まぁ彼女が言うならそうなんだろう、寝よう。
「あ、時計に戻ります?」
「いやいいよ、信頼してるから」
(信頼!信頼っていわれた!)
「ん?どした顔赤くして、まさか風邪!上着1枚じゃ寒かった?!」
体感温度は人によって違うのに、やらかした!か?
「ああいいえいいえ!付喪神は風邪引きませんから!大丈夫ですから!」
「え、そう?無理しないでね?君が体調崩すのは僕は見たくないから。」
「ええ、大丈夫です!ゆっくり休んでください。」
「ああ、じゃあそうするよ。おやすみ...」
微睡む意識の中で、暖かい何かに触れた気がした。