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終わらない宿題
時が過ぎるのは早い。
終業式を迎えたと思ったら明日は始業式だ。
「はぁ」ため息をつきながら目の前の
テキストを見る。
親がうるさくいつも怒鳴られていて…
今思えば、よく友達と遊びに行ってたのは
この家にいるのが息苦しく感じたからだろう。
扇風機をつけてもう一度勉強に戻る。
家の中でこんなに暑いなんてどうかしてる。
37度も伊達じゃないな。
テキストに汗が落ちる。
「こんなに汗をかいたらテキストがびしょびしょ
になる」なんて冗談言ってられるほど余裕では
ない。「おーい、健二〜もう宿題終わってるよな?
サッカーしに行こうぜ!」
ふと気がつくと、家の前の通りに拓海と
哲平が僕を呼んでいた。
もうちょっとで終わるし帰ってきてからやろう。
階段を下り玄関の戸を開ける。
眩しい光が僕を包み、目の前が一気にクリア
になる。
「今見てきたら校庭空いてた。早く行こうぜ」
僕らは学校へと向かう。
これから何が起こるのかも知らないままに…