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建と築 ラノベ版 築21日
「それunityだろ?」
「この曲知ってるんだ。」
普通だ。
まるで初対面だな。
初対面なんだな。
「お!ちーちゃん。」
反射的に反応する。
もう長いこと
顔も見てない。
美人だったな。
昔も。
今も。
綺麗だ。
反応するとは思わなかった。
「・・・」手をフリフリ。
反応するのか。
「・・・」
ケンは呆然としていた。
ん?何かあったのか。
まあ
いいか。
「ケン、こっちは、築。よろしくな。」
なにがよろしくなだ。
自分の言葉がきにいらない。
「つかさ…」
つかさ、か。
「やべえ。入学式始まるぜ。行こうぜ、ケン。」
「あ、ああ。」
悪いな。築。
俺、言葉が浮かばないんだよ。
返事できなくなっちまった。
ハハ。
無様だな。
「またあとで。」
またあとで。か。
俺には無理かもな。
「おう!あとでな。」
築の顔が
微かに
安心していた。
嬉しそうに…一瞬、見えた。
俺は無視して、背を向けた。
ごめんな。
いつかさ
言える時が来るかな。
もしくは
言える時なんてないのかもしれない。




