建と築 ラノベ版 築2日
スマホから流れているEDM。
エレクトロダンスミュージックを聴きながら、入学式が始まる体育館に向かう。
イヤホンはハズレていた。
取り出すのを忘れていたのだ。
まあ、そんなことはどうでもよかったが。
なんか、周りの人がちらちら見てくる。
俺はそれを無視してとぼとぼ歩いて会場に向かう。
流れているのは、TheFatRatのUnity。
ピコピコピコピコ心臓にタッチしてくるような感覚。
なんとも言えない高揚感を迎える。
Something else all of freeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!,!,!,
言葉にできないエクスタシィ。
最高だった。
「なあ、それUnityじゃん」
体育館の入り口に来たので、真面目なふりしてスマホの電源を落とそうとした時
そんな風に話しかけられた。
誰だ?同級生か。結構でかいな。180cmぐらいあるな。
おれは170cmぐらいだけど。そんなことはいいんだ。それよりも、
「この曲知ってるんだ。そうだよ。Unityだよ。」
てか、馴れ馴れしいな。このイケメン。さわやかな部類に入るかもな。
あ、おれはホモじゃないぞ。断じてそれはない。
「あ、悪りぃ。俺、つかさ。建築士の、士の部分な。よろしくな!
君、名前は?」
あー、つかさっつうのか。いい名前だな。素直にそう思った。
「いい名前だな。おれは、建。建築士の建の部分。よろしく。」
俺は、手を差し出した。
「建か。めずらしいな。おれも、めずらしいけど。」
つかさの大きい手が、ぎゅっと握ってきた。
うおっと、力強えな。反射的に握り返す。
「お!築もいたのか!なあ、建。あの女、築っつうんだ。よろしくな!」
つかさが、指差したので、振り返った。
ぶつかってきた女がいた。