リッキー少年の修行
「あれは、そう今からウン十年前俺が少年だった頃の話・・・・」
「おい、坊主またいじめられたのか。」
土手で一人黄昏ているリッキーに声をかける男がいた。振り向くリッキー。
「宇宙ソバ屋のおやっさん・・・だってあいつ等力も強く寄ってたかって僕をいじめるんだよ。」
リッキーの隣にドスンと腰をかける、おやっさん。
「そうか・・・悔しくないのか?」
「そりゃ悔しいけどやり返したところで勝てないし、もっとぼこぼこにされる・・・」悔しく今にも泣き出しそうな声で言うリッキー。
「おい泣くなよ、男だろ。喧嘩っつうのは、痛いものさ。やつらをギャフンと言わせたくないか?」
「そりゃ言わせていじめられなくなる方がいいに決ってるよ・・・」
「よし、教えてやろう、ワシ自身が編み出した武術。厳しい修行があるが着いてくる覚悟は、お前にはあるか?」
じっとリッキーの瞳を見つめる。
「・・・うん頑張る・・・」
自信なさそうに答えるリッキー。
「声が小さい、それに迷いが見える。決断には少し時間が必要みたいだな。一週間時間をやる、坊主が本気で強くなりたければ、これから毎日この土手を一周走れ、そして一週間後ワシの店へ来い。修行をしてやる。」
そういうと夕日を背におやっさんは、帰っていった。
「僕は強くなるんだ・・・強くなるんだ。。強くなるんだ!」
心の叫びが無意識に声に出て叫んでいた。焦って辺りを見回すリッキーであった。
それから僕は、約束通り雨の日も風の日も欠かさず走った。走るにつれて自信が少しづつついていった。
そして一週間後約束の日おやっさんの店に顔をだした。
「いらっしゃ・・坊主か。覚悟は出来たようだな。」
リッキーの顔をまじまじと眺めるおやっさん。
「以前より少しは、マシな顔つきになっている。まずは、合格だ。奥でこれに着替えてこい。」
「はい!」
元気よく返事をして衣服を手に奥へ着替えにいくリッキーであった。
しばらくして戻ってくるリッキー。
「おやっさん、これって武術着じゃなくてここの店の服じゃないですか!」
「それがどうした?修行というのは、日常動作のなかにこそ、自然と身につく技がある。実戦となれば特にな。」
リッキーは不満とまでは行かないが、おやっさんの事を胡散臭く思えた。
「ワシの事胡散臭く思ってるだろう?」
見透かされたことにドキッとするリッキーである。
「そ、そんなことないですよ。おやっさん、いや、これからは師匠と呼ばせて下さい。」
「調子のいいやつめ。修行は、厳しいがついてこいよ。」
「はい!師匠!!」
ここまで黙って聞いていたシャーリーが話の腰を折る。
「リッキー、それって修行っていって体のいい労働力を確保したいだけじゃないの?」
「俺も最初は、そう思っていた。しかし今の自分をみると心身共に成長し、以前よりも強くなった自分がいた。まあ話は、これからまだある。飲み物を用意しよう。地球で飲まれてたものがいいかな?」
「何でも出来るの?」
「ああこのレンジみたいなもので分子レベルで瞬時に作成できる物質構成レンジだ。ただ宇宙を破滅する爆弾とか無茶なもの以外ならある程度の物は作れる。まあ法に触れないもの前提だけどね。大量生産とかも基本できないようには、できている。」
「じゃあアッサムでロイヤルミルクティーとカヌレが食べたい。」
「あいよ!じゃあ俺は、ハワイアンコナのブラックとラム酒の利いたイチヂクとアーモンドの入ったパウンドケーキにしようかな。」
「美味しそう何でも作れるのね。」
「ご飯などの食事は基本この機械で作るから。」
そういうとシャーリーの前に注文品を出した。
「じゃあもう少し話に付き合ってもらうとするか・・・」